妊婦のほとんどが必要な栄養をとれていない? 妊娠中によくある食生活の悩みを解決

出産・子育て

公開日:2016/8/31

 おなかの赤ちゃんがスクスク&かしこく育つ最新情報と、268レシピを詰め込んだ『妊娠中の食事』が2016年8月31日(水)に発売された。

 同書は、妊娠中の栄養と食べ方の最新情報や、おなかに栄養を届ける安産レシピ、妊娠中によくある食生活の悩みの解決策を紹介し、妊娠中の280日をサポートしてくれる内容となっている。

「小さく産んで大きく育てる」時代から変化している『妊娠中の食事』最新事情って?
ママが摂取したものは、赤ちゃんの骨や体といった発育発達だけでなく、頭のよさにも大きく影響する。少し前まで、日本では「小さく産んで大きく育てる」のが理想だといわれてきた。しかし最近では「出生体重が少なすぎると将来的に生活習慣病になりやすい」ことが世界各国の研究から報告されるようになり、妊娠時の体格(BMI※)によって体重の増加をコントロールするようになっている。

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※BMIとは、(妊娠前の体重)00.0kg÷(身長)0.00m÷(身長)0.00mから算出される体格指数。WHO(世界保健機関)で発表された、肥満度をはかるための国際的な指標。

ママから赤ちゃんへの最初のプレゼントは腸内細菌

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 赤ちゃんは産道を通って生まれる時、産道の細菌を口から取り入れることになり、その細菌が腸に達して腸内細菌として初めてすみつくと考えられている。そのため赤ちゃんの腸内細菌はママの腸内細菌とそっくり。つまり、妊娠中の食事でママの腸内をメンテナンスすることで、赤ちゃんにたくさんの善玉菌をプレゼントできるのだ。

 同書では、上記のように、“知っている”のと“知らない”とでは意識が激変する妊娠中の食事の最新事情を多数公開。また、妊娠中の食事で実践できるポイントを分かりやすく解説すると同時に、268のレシピも掲載している。今回はその中のほんの一部も紹介しよう。

「パセリピラフ」と「かぶのグリーンクリーム煮」

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 赤ちゃんの神経器官がつくられる妊娠初期に大切な“葉酸”をチャージできるおすすめ献立。お手軽ピラフ風ごはんは、くるみで栄養をオン。かぶのグリーンクリーム煮は、栄養価の高いかぶの葉までまるごと使った煮こみ料理。

「雑穀スープ」と「鮭とほうれんそうの和風グラタン」

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 妊娠中の貧血予防に効くおすすめ献立。おなかがじんわりとあたたまる、とろとろ食感でやさしい味わいのスープに。和風グラタンは、長いもで作る簡単ホワイトソースでさっぱり軽い口当たりとなっている。

「切り干し大根とほたてのかき揚げ」と「鶏手羽とひよこ豆のコンソメ煮」

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 赤ちゃんの体と脳をつくり、かしこく育てるためのおすすめセット。煮物ではなくかき揚げにした切り干し大根メニュー。コンソメ煮は手軽にプラスできる育脳食材”ひよこ豆”を活用している。

 妊娠中に起こるさまざまな悩みにこたえ、妊娠を考え始めた日から出産までの期間を通して、食事のバイブルとして役立つ、心強い一冊だ。

細川モモ(ほそかわもも)
予防医療コンサルタント。アメリカで最先端の栄養学を学び、栄養アドバイザーの資格を習得。医師、栄養士による予防医療チーム「Luvtelli(ラブテリ) Tokyo&NewYork」主宰。2014年に三菱地所とともに「まるのうち保健室」を立ち上げ、働く女性の健康と妊娠できる体づくりを支援している。著書に『細川モモの美人食堂』などがある。

宇野薫(うのかおる)
管理栄養士。女子栄養大学卒。管理栄養士として予防医療に携わる。現在は女子栄養大学大学院にて母子健康の研究を行うかたわら、「Luvtelli(ラブテリ) Tokyo & NewYork」での妊婦栄養研究や、妊娠・母子健康に関する最新データをもとに栄養カウンセリング教育活動を行っている。

※掲載内容は変更になる場合があります。