胸の大きさにこだわる人は結婚に向いてない? “行動心理学”で相手の心まるわかり!

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公開日:2016/9/7


『植木理恵の人間関係がすっきりする行動心理学』(植木理恵:監修/宝島社)

 グラビア雑誌やアニメの女の子は、おっぱいが大きい…。思わず自分の胸元を見つめてしまう。やはり男性は、胸の大きい女性が好きなのだろうか? 胸は女性の性的魅力の象徴、つまりセックスシンボルである。男性が本能的に惹かれてしまうのも仕方がないのかも、と思いきや、〈胸の大きさにこだわる男性は結婚に向いていない〉と書かれた本を発見。『植木理恵の人間関係がすっきりする行動心理学』(植木理恵:監修/宝島社)だ。

 心理学者で臨床心理士でもある監修者によると、女性に向けて、胸の大きさばかり重視する男性に結婚を望まれたら要注意!

 なぜなら、おっぱい重視の男性は、「大きい胸の女性=母親のように優しい女性」という短絡的な考えの持ち主かもしれないからだ。また、母乳を吸っていたときの記憶を無意識のうちに呼び起こしている可能性もあるのだとか。しかし当然ながら、現実は、胸の大きさと母性的優しさは別物。短絡的に考えてしまうということは、思考力が磨かれていない、または精神的に未熟、という評価につながってしまう。実際、イギリスで行われた調査では、豊かな胸を好む男性ほど、IQ(知能指数)が低いという傾向まで出ている。

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 わがパートナーはどうかな? 我が身はどうかな? と顧みたところで、本のタイトル「行動心理学」について。これは、相手のふだんの行動・しぐさ・言葉から、心の内を読み取ろうとする心理学のこと。実験を通して数値化された根拠を持つ科学的な学問だ。本書は、キーワードを注で解説しつつ、身近な人間関係ですぐに使える具体例のオンパレード。カジュアルな行動心理学入門書となっている。ここでは、冒頭の話題に続く形で“恋愛と結婚”に関するものを一部、取り上げてみる。

 まずは、先ほどの続きとして、「では、どのような男性が結婚に向いているのか?」をお答えしよう。それは、〈泣いている人に声をかける男性〉だ。例えば、葬儀の場で悲しんでいる友人に、適切ななぐさめの言葉を掛けられるか、ということだ。声を掛けずに帰っても誰にも責められない状況で、敢えて友人に声を掛けられるということは、勇気と責任感を持っている証拠。さらに、相手の悲しみに共感できる証拠でもある。勇気も責任感も共感力も、結婚後の2人の関係にプラスに働くであろうことは誰もがうなずけるだろう。

 次に、パートナーとの親密度を量りたいときに、注目するべき行動について。それは、〈一方がオナラを我慢している夫婦はうまくいかない〉だ。なぜオナラ?と思ったかもしれないが、要は「夫婦間でオープンにすることのバランスが取れているか」を見るのだ。2人がお互いに共有する「恥」の度合いが一緒ではないなら、どちらか一方が優位、もう一方が下位に立っているということに。ふだん他人に見せないマイナス面を見せることができる相手、イコール、我慢しなくてもいい相手のこと。その我慢がどちらか片方にばかり溜まっているようなら、健全な関係とはいえない。いつか破綻するといっていいだろう。相手に利用されていないか、自分が相手に甘えすぎていないか、自身の心の声を聴いてみよう。

 他にも、本書には〈集合写真の前列でピースをする人はモテない〉〈「今まで付き合った人数」を男性は3倍・女性は1/3で自己申告する〉など、面白い例がたくさん。いずれにしても、どうでもいい相手に対してはこのように観察をしようとは思わない。より相手を知って関係を深めたいと思うからこそ、観察をするのだ。とはいっても、相手をマイナスの採点法で観察するのは不幸の元。100%完璧な人間なんていないのだから、減点法でいくと、どの人間に対しても不満ばかりになってしまう。本書には、〈心の中を円グラフで表す方法〉で〈自己コントロールでストレスを脱する〉というページもあるので、ぜひ参照を。

 人は誰でも良い面だけでなく、なるべくなら隠しておきたい嫌な面もある。その両方を、お互いが許し認め合う良い関係が作れたら理想的。良好な関係作りのツールのひとつとして、行動心理学、学んでおくと毎日が少し楽しくなりそうだ。

文=奥みんす