羽田圭介『スクラップ・アンド・ビルド』柄本佑主演でドラマ化決定に「正解なキャスティング!」と喜びの声

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公開日:2016/9/9

 2015年に第153回芥川賞を受賞した羽田圭介の『スクラップ・アンド・ビルド』が2016年12月17日(土)に単発ドラマ化されることが決定した。芥川賞作品、そして独特なキャラクターでメディアでも引っ張りだこの羽田の作品がついにドラマ化されることに「これは素直にうれしい! 絶対見る!!」「柄本くんが羽田さんのドラマに出るですって? その前までに読まなきゃーー」と喜びの声が挙げられている。

 「スクラップ・アンド・ビルド」とは、scrap(取り壊す)とbuild(建てる)から、工事現場や組織などで無駄な部分を廃止し、新たなものに作り直すこと。同作『スクラップ・アンド・ビルド』は、勤務していた会社に嫌気がさし仕事を辞め、行政書士資格試験に向けての勉強をしながら就職活動をしているが、企業の中途採用試験には落ち続けている28歳、無職の青年・健斗が主人公。健斗は母親と87歳の要介護の祖父と同居をしている。「早う死にたか」と毎日のようにぼやく祖父の願いをかなえようと、健斗はある計画を思いつく。衰え行く生の隣で次第に変化し、再構築していく青年の心。青年は「スクラップ・アンド・ビルド」することができるのか――?

 高齢化に伴う問題を取り上げつつも、閉塞感の中に可笑しみも漂う新しい家族小説に「介護について考えさせられるところも多いんだけど、孫が編み出す介護論に基づく行動に妙な可笑みが…」「毒の強い内容ではあったけど、笑っちゃいけないところで笑ってしまう本」「若い男性からの視点で書かれているのが新鮮」と多くの反響が集まった。

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 ドラマ「スクラップ・アンド・ビルド」では、主人公の青年・健斗を実力派俳優として知られる柄本佑が務める。他にも、山下リオ、浅香航大、秋元才加、浅茅陽子、山谷初男などがドラマに登場予定。主人公役の柄本は、NHK連続テレビ小説「あさが来た」に出演したほか、「若者たち2014」や「天皇の料理番」などで高い演技力が評価され、個性派俳優として評価を集めている。「これは嬉しい。主演が柄本佑さんなのも」「クズでダメなところも多い健斗役が柄本なのはイメージにぴったり」「これは正解なキャスティングだな!」と大盛り上がり。

 作者の羽田は、2003年に若干17歳で作家デビュー。デビュー作『黒冷水』で、第40回文藝賞を受賞するという快挙を果たした。その後も、2008年『走ル』、2010年『ミート・ザ・ビート』、2014年『メタモルフォシス』は芥川賞候補となるが受賞を逃し、4作目の『スクラップ・アンド・ビルド』でついに芥川賞を受賞した。

 羽田は、芥川賞受賞以降テレビでも引っ張りだこ。バラエティや情報番組だけでなく、NHK総合で放送される新春スペシャルドラマ「富士ファミリー2017」にも出演予定とその活躍は多岐にわたっており、「ドラマ化される時は羽田さんが演じるのかと思ってたwww」「ほんとマルチな活躍するよな」「テレビで見ることも多くなったから親近感沸いて、なんか羽田さんの作品にも入りやすくなった」と大人気。羽田本人も、第153回で芥川賞を同時受賞した芸人の又吉直樹と自身をネタにして「又吉じゃないほう」といいつつ、「便乗できてありがたい」「同時受賞じゃなかったら、こんなに売れなかった」と発言している。

 学生時代は自転車競技の選手として実業団入りを目指しており、執筆活動の合間に筋トレをすることが現在も趣味という羽田。同作の中でも健斗が行う筋トレの様子が印象的に描かれている。「一見無関係そうな介護と筋トレがつながったのは、羽田さんの中で筋トレが日常だったからなのかな」「羽田さんと筋トレがつながっちゃったから、健斗が羽田さんに思えてくるwww」「健斗の独特な思考と論理が羽田さんの感じにどーも重なって仕方ない」と、読者の中にはテレビでよく見る羽田と同作の主人公・健斗のイメージを重ねている人も多そうだ。その影響か「柄本くんと羽田さんって似てるよね…?」「演技うまいのは知ってるが、思わぬ勘繰りをしてしまうぞ…」「これは、キャスティングした側も羽田さんの魔法にかかったな」なんて声も。

 作家としての確かな才能と、独特なキャラクターで一躍人気となった羽田の芥川賞受賞作『スクラップ・アンド・ビルド』。映像として映し出される羽田ワールドがどのようなものになるのか、今から12月の放送を楽しみにしていよう。

■ドラマ「スクラップ・アンド・ビルド」
放送日:2016年12月17日(土)
原作:羽田圭介
出演:柄本佑、山下リオ、浅香航大、秋元才加、浅茅陽子、山谷初男