『GOSICK』『心霊探偵八雲』に続け! 第2回「角川文庫キャラクター小説大賞」決定

文芸・カルチャー

更新日:2017/11/13

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 物語の面白さと魅力的なキャラクターを兼ね備えた、新たな作家を発掘する「第2回 角川文庫キャラクター小説大賞」の選考会が2016年9月7日(水)に行われ、206作品の応募の中から受賞作が決定した。

■大賞 賞金150万円

『吸血鬼と映画を ─憧れの作家は人間じゃありませんでした─』
著:澤村御影(さわむらみかげ)/神奈川県横浜市出身、在住。女性。会社員。

 瀬名あさひは、憧れの作家で覆面作家でもある、御崎禅の担当編集となる。御崎禅の担当には三つの注意事項があり、「昼間は連絡しない」「銀製品は身につけない」「警察には気をつけろ」だ。あさひと御崎禅は共に映画好きで意気投合するが、実は御崎禅は吸血鬼であり、人外の存在が起こした事件について、警察に捜査協力しているとのことだった。警察の捜査よりも新作原稿を書いてもらいたいあさひは、警視庁の林原夏樹刑事が持ってくる事件を、御崎禅と共に解決していくことになる。座敷童が誘拐されたり、黒い犬のお化けが出たり、吸血鬼によると思われる事件が起きたりと、様々な事件が持ち込まれる中、あさひはやがて、御崎禅がかつては人間であったこと、そしてそこに秘められた悲しい過去を知っていく。

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■優秀賞 賞金30万円

『窓がない部屋のミス・マーシュ』
著:斎藤千輪(さいとうちわ)/東京都町田市出身、東京都在住。女性。映像制作会社を経て現在放送作家・ライター。

 貧乏タロット占い師・美月は、“カネなし、男なし、才能なし”の崖っぷち人生から、どうにか這い上がろうともがいている。ある日、二子玉川の路上で女性の悩み鑑定をしていると、近くで会話を聞いていた少女・愛莉が、鑑定時の会話から得た僅かな情報から論理的な推理を披露し、女性の悩みを解決に導く。愛莉の能力に驚愕した美月は、彼女が高級マンションに住む孤独な引きこもり少女で、リビングの大窓のシャッターを閉じたまま殺伐とした生活を送っていると知る。なぜ学校に行かないのか? 両親はどうしたのか? 決して開けようとしない大窓には、どんな秘密があるのか? 愛莉を放っておけなくなってしまったお節介な美月は、押し掛け家政婦としてマンションに同居。さらに愛莉と共に占いユニット“ミス・マーシュ”を結成し、リビングのサロンで人々の相談に乗りはじめる。

 物語とキャラクター、この両方を兼ね備えた「キャラクター小説」こそ、今まさに求められているエンタテインメントといえる。その新たな書き手を発見し、より面白い文芸作品を世に送り出していきたいと考え、KADOKAWAは2015年「第1回 角川文庫キャラクター小説大賞」を創設し、大賞受賞作『樫乃木(かしのき)美大の奇妙な住人 長原あざみ、最初の事件』と、奨励賞受賞作『コハルノートへおかえり』をそれぞれ角川文庫として刊行した。

 選評は、2016年11月7日(月)配信の角川キャラクター小説マガジン「小説屋 sari-sari」11月号に掲載予定で、贈賞式は2016年冬に都内で開催を予定している。そして受賞作は、KADOKAWAより角川文庫として2017年春頃に刊行予定なのでお見逃しなく。