「こち亀はこれがあるからなあ」ラスト直前の『こち亀』人情話に感動するファン続出!

マンガ

公開日:2016/9/16

 9月12日(月)に発売された『週刊少年ジャンプ』2016年41号で、連載終了が発表されている秋本治による漫画『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(以下、こち亀)のラスト一個前の話が掲載された。この回はギャグ漫画の『こち亀』に時折り挟まれる人情話だったのが、その内容が“キレッキレ”だったと話題になっている。

 両津勘吉が住み込みで働く寿司屋・超神田寿司を経営する擬宝珠家の庭から話は始まった。檸檬(レモン)とともに庭に植えたヒマワリを観察する両津。そこへ携帯に着信があり急いで派出所に戻るのだった。なんでも、注文していた超高級時計が届いたそうで、そこからは両津得意のマニア知識を披露。時計のからくりを事細かに説明していった。

 すっかり時計にハマっている両津。部品取りのために、古くていらない時計がほしい、と超神田寿司の大女将・夏春都(げぱると)に頼むと、なんと夏春都は両津に旦那の形見の軍用腕時計を渡した。さすがに躊躇する両津だったが、「壊れているし……それをとっておいてもねえ」と、未練なさそうな夏春都を見て譲り受けることにした。

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 その後、両津は擬宝珠家の長女・纏(マトイ)に20万円を借りてアメリカに飛び立った。「遊ぶことしか考えてない」と呆れる擬宝珠家だったが、両津はアメリカから帰ってくると、擬宝珠家の皆に律儀にお土産をプレゼント。そして夏春都には、アメリカの軍用腕時計コレクターに頼んで修理してもらった腕時計をプレゼント。さらに腕時計の中に「夏春都」と名前が刻んであったことも告げ、「形見じゃない! 生きてるよその時計! 一緒に時間を過ごしてやってくれ」と語りかけたのだった。これに夏春都は珍しく「ありがとう」と素直に感謝、両津も「はは、初めてだな。夏春都に礼言われんの」と返す。

 このキレッキレの人情話には「良い話でとても良かった」「連載終了間際の今になってやっとゲパルトがデレたな。ちょっと涙ぐんでしまった」「こち亀はこれがあるからなあ」と絶賛の声が上がった。そして最後のページでは、夏が終わり枯れたヒマワリを見て落ち込んでいるレモンを見て、両津は花から種を取り出して、「ちゃんと赤ちゃんを作ったぞ」「来年またヒマワリに会えるぞ」と励ましていた。

 これを深読みしたファンたちは「ひまわりは枯れたが種は育ったという言葉に、こち亀は終わっても種は育っているという秋本先生のメッセージを見た気がした。それが他の作家先生のことなのか、秋本先生の構想中の新作なのかはわからないが」なんて声も。

 果たしてこの話は本当に秋本治による何かのメッセージなのだろうか。