フランス流のっけパンとホットサンドで脱マンネリ「朝ごパン」【作ってみた】

食・料理

公開日:2016/9/19

 朝食にパンを食べる人たちの間では、「のっけパン」や「ホットサンド」がブームとなっている。定番の食パンに食材をのっけて焼く、もしくは食パンを焼いてから調理しておいた食材をのっける、はさむ…。とにかく簡単で見た目にもおいしい「朝ごパン」が今、熱いのだ。とはいっても毎朝食べるものだから、マンネリはやってくる。特に時間勝負の忙しい朝は、冷蔵庫にあるいつもの食材を食パンにのせるだけになりがちだ。しかし、そんなときこそ新メニューに挑戦してほしい。同じのっけパンやホットサンドでも、海外流レシピに注目してみてはどうだろう。そこで今回ご紹介するのが『タルティーヌとクロック:フランス式のっけパンとホットサンド』(サルボ恭子/東京書籍)である。タイトル通りフランス語でタルティーヌはのっけパン、クロックはホットサンドを意味する。マンネリ朝ごパンから脱出できるであろう、この2種を実際に作ってみた。

焼きアボカドとアーモンドのタルティーヌ


 厚みを半分にカットしたマフィンをオーブントースターで軽く焼き、焼いたアボカドと炒ったアーモンドを乗せたシンプルなタルティーヌ。マフィンに塗った粒マスタードと、焼いて甘みが増したアボカドとの相性が抜群だ。さらに最後にトッピングした香ばしいアーモンドと塩ひとつまみが、より味わいを深くしている。マフィンは余熱をとってから具材をのせるので、できたてアツアツではない。そこで、すべてをトッピングしたあとにオリーブオイルを適量垂らし、再びオーブントースターで3分ほど温めてみた。すると、ちょうどよい熱さのサクッとしたタルティーヌとなり、これも非常においしかった。少し固めのアボカドを使う方が焼いたときに崩れにくいだろう。グリーンがおしゃれな、朝食にピッタリの1品である。

ボロネーズソースのクロック


 牛ひき肉・玉ねぎ・トマト缶・にんにくなどで作ったボロネーズソースと、小麦粉と牛乳を使ったベシャメルソースが、このクロックを最高においしく仕上げる。厚み1cmの食パン2枚にそれぞれを塗り重ねたら、たっぷりのシュレッドチーズを乗せてオーブントースターへ。表面に徐々についてくる、おいしそうな焼き色が食欲をそそるのだ。ひと口食べると、思わず目を見開いてしまう「これはおいしい!ラザニアの味がする」。定番のクロックムッシュよりも濃厚なので、昼食にも適したレシピだろう。前もって具材を用意しておけば時短で作ることも可能だ。たっぷりのグリーンサラダと一緒にワンプレートで楽しみたい。これはきっと子供も喜ぶ味だろう…間違いない。

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ジャム入りフレンチトースト風クロック


 食パン2枚を1cmの厚みに切り、卵液につけたあとジャムをはさんで焼いたフレンチトースト風クロック。相性が良いベリーのジャムにシンプルなイチゴを選んだが、フランボワーズなどフランスらしいものが理想だ。食パンは時間をかけて卵液にしみ込ませ、オーブントースターでカリッと焼くのがおいしさの秘密である。食べると中はふっくらモチモチでミルクとベリーの香りが口の中いっぱいに広がる。アイスクリームやフルーツをトッピングすれば、贅沢なスイーツ風クロックが楽しめるだろう。また2度目に焼いたときはジャムをたっぷり塗ることを考え、卵液に加える砂糖を思い切って省いてみたが十分においしかった。少しでもカロリーオフしたいときにおすすめである。

 タルティーヌとクロックは、パンにのせる・はさむ食材次第で、朝食・昼食・おやつ・おつまみ・夕食の5通り楽しめるのも魅力だ。ワインのおつまみであれば、2cmの厚みに切ったバケットに、にんじんサラダと生ハムを乗せたものはどうだろう。カマンベールチーズやリンゴをトッピングしたものもおしゃれだ。また、夕食なら大きめに切ったバゲットにハーブチキンを乗せたものや、ライ麦パンにきのこのクリームソースをはさんだものも最高だろう。どちらもフォークとナイフを使っていただきたいごちそうレシピである。

 この1冊には、子供から大人までが楽しめるタルティーヌとクロックのレシピがギュッと詰まっている。マンネリ朝ごパンから脱出したら、さらに奥深いタルティーヌとクロックの世界を堪能することをおすすめしたい。

文=くみこ