急にモテ期が来た! 一人目に会った瞬間「あ、この人と結婚する」と思った! 女性オタク漫画家2人の赤裸々“オタ婚”成功談【前編】

恋愛・結婚

更新日:2016/9/23

 いつか出会える運命の人を待つ時代は終わり、仲人、結婚相談所、SNS、アプリまで、婚活のアプローチが百花繚乱である。なかでも、気になるのがオタク婚活。登録しているのは男女ともに、なにかしらの趣味を持つ「オタク」で、趣味について詳細に記入したプロフィールを公開して婚活をするのだという。最初から、お互いのコアな趣味を理解して交際がスタートできるのだから、オタクにはもってこいなのでは!? というわけで、そんなオタク婚活を成功させ、幸せな結婚をした二人の女性漫画家と、二人が利用したというオタク婚活サイト「アエルネ」代表取締役社長に、オタク婚活について、じっくり語っていただきました。前後編でお届けします。

◯座談会参加者

遊佐いつかさん(以下、遊佐):漫画家。趣味はゲーム・マンガ・同人誌。25歳でのオタク婚活スタートから、漫画家・水兵ききさんとの結婚、妊娠、出産を経て現在は一児の母。婚活から出産までの半生を綴ったコミックエッセイ『恋愛すっとばし婚 恋愛経験ゼロのオタクが結婚にこぎつけるまで』(KADOKAWA)が2016年9月23日に発売。

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アルパカ子さん(以下、パカ子):漫画家。IT会社勤務。趣味はアニメ・マンガ・人形。31歳でオタク婚活をして、2歳年下のゲーム会社勤務の男性と結婚。そのいきさつを、pixivコミック内のピクシブエッセイで「オタクだけの婚活サイトで運命の人を見つけました」にて連載中。

長谷川剛さん(以下、長谷川):趣味はガンダムとソーシャルゲーム。オタクのための結婚応援サイト「アエルネ」代表取締役。2011年よりスタートしたオタク婚活パーティ「アエルラ」の運営ノウハウを活かし、2013年よりオタク婚活サイト「アエルネ」(会員数約1万5000人:2016年9月現在)を展開。

オタク婚活はリーマンショックからはじまった!?

――本日はお集まりいただきましてありがとうございます。いまオタク婚活がとても盛んで、マンガ・ゲーム・アニメなどの業界の方で、成婚してお幸せなご夫婦が何組もいらっしゃるとか。本日は代表して、自身のオタク婚活をコミックエッセイとして公開されている遊佐いつかさん、アルパカ子さんと、お二人が利用された人気オタク婚活サイト『アエルネ』長谷川剛社長の初顔合わせということで、いろいろお話を聞かせていただければと思います。まずは、すべてのはじまり、オタク婚活サイト「アエルネ」誕生について、教えてください。

長谷川 うちの会社はもともと、HP制作会社でスタートしているんですが、リーマンショックの影響で、企業の予算が減って、仕事の内容がつまらなくなってしまったんです。で、せっかく自分の会社なので、なにか好きなことをやろうかとなったときに、自分も社員もオタクなので、自分たちがおもしろいと思えるオタク向けの仕事をやりたいね、ということからスタートしました。ほかにもアイデアはあったのですが、初期費用がいちばんかからないのが、スペースさえ借りればできる婚活パーティだったんです(笑)。

――へえ~! そうだったんですね。なるほど。

長谷川 それで、婚活パーティの「アエルラ」を2011年にスタートしました。プロモーションのノウハウはあったので、プレスリリースもうまく流せて、それがおもしろおかしくヤフーニュースとかに転載されて。忘れもしないんですけれど、第一回のパーティは、女性10名、男性10名の募集のところに、女性は14名くらいだったんですが、男性は300名応募がきたんです。

遊佐パカ子 ええー! すごい!!

長谷川 「オタクの婚活」というのに、世間も興味があったみたいで、テレビなどマスコミに取り上げられて、そこから、オタクのみなさんにもどんどん認識していただけるようになったのかなと思います。「アエルネ」のサイトの右上に実際にアクティブな会員数を表示させていて、今は1万5千人くらいの方に利用していただいています。登録者数では女性の比率が高いですが、アクティブに活動されているのは男性が多いですね。うちは出会いのきっかけを提供しているだけなので、成婚率などは出していないのですが、カップルになってうちを卒業されて、だいたい1年後くらいにご結婚、という方が多い印象です。

乙女ゲームみたいなモテ期が来た! 運命の人が現れた!

――まさに、そんなご成婚に至られた遊佐さんとアルパカ子さん、「アエルネ」でオタク婚活をなさってのご感想はいかがでしたか?

遊佐 本にも書いたんですが、それまで彼氏がいなかったので、急にモテ期がばあ~っと来たみたいで楽しかったです。乙女ゲームとかしている感覚で、攻略するぞ、みたいな(笑)。恋愛と違って婚活の場合は、決まった相手が見つかるまでは、男女ともに並行OKなんですよね。

パカ子 女性は登録すると、次から次へ男性からメールが来るんです。それが普通なんですが、こんなに続々来るんだとびっくりしました。返信メールを打っても打っても終わらなくて、仕事との両立が大変でした(笑)。でも、基本みんなオタクなので、会話に困るということがなくて、そこはラクでした。だいたい好きな作品が同じ相手にメールを送るので、そこから話が弾んでいくんです。遊び目的の人はいなくて、ちゃんと私のプロフィールを読んで、みなさん長文のしっかりしたメールを送ってくれて、よかったです。

――相手がみなさん誠実で、好きなものも同じとなると、そこから決めるのはたいへんだったのでは? いまのパートナーを選んだ決め手は?

パカ子 実はいちばん最初に会った人で、会った瞬間に「あ、この人と結婚する」って思って、そのままその人と結婚したので、そこは迷わなかったんです。メールはかなりの数をやり取りして、3人くらいにデートに誘われて、最初に予定が決まったのがその人で。結局会ったのは一人だけなんです。

――連載のタイトル通り、まさに「運命の人」だったのですね。最初のインスピレーションはどんな感じでしたか?

パカ子 しゃべった瞬間に、「あっ」と思ったんです。それまでそういう経験はなかったので、自分でもすごくびっくりしました。

――メールのやり取りも多くて、お仕事もなさっていて、趣味もあって、婚活と日常生活の両立は大変ではありませんでしたか?

遊佐 私はやりとりする相手をしぼったので、寝る前の時間を使って婚活していました。10歳年上まではいいかなと35歳までを希望条件にしていたのですが、開始3日で126件もメールが来てしまい、そのなかにはこちらの希望条件外の方もたくさんいたので、早い段階で「写真なし、40歳以上はお断り」と決めて、婚活していました。

パカ子 私はIT会社勤務で、そのころ仕事がいそがしくて、終電で帰るのが普通だったので、一日一通メールを打つのもたいへんでした。なので、やり取りしている人に、「一週間に一通でいいですか?」と伝えて、そのペースでだめな方はその時点で終了ということで。31歳で婚活をはじめたので、相手も30代半ばの、年齢的に仕事がいそがしい方が多くて、だいたい納得してもらえました。そこは無理をしたら絶対に続かないなと思ったので自分のペースでやりました。

30代のオタク婚活は真剣度高し

――オタク婚活をなさってみて、具体的に、困ったこと、良かったことはありましたか?

遊佐 困ったのは、私は25歳でしたが、あせりがあって、恋愛をすっ飛ばしてすぐ結婚して子どもが欲しかったんです。でも同年代の若い男性は、そうじゃなかったんですよね。結婚への真剣度が低くて、まだ結婚したくない、みたいな。なので、最初の頃は、プロフィールで35歳までという条件を出していたのにうまくいかなかったんです。それで少し上の世代をダーゲットにしたら、10歳年上の当時35歳の夫と出会えました。

長谷川 「アエルネ」は年齢層が幅広いんです。20歳から登録できるので、男性でも、20歳の誕生日にご登録される方もけっこういます。男性は定職についているのが条件なので学生は登録できませんが、特に地方は若い方の登録が多いですね。アクティブなのは30代で、上は50代まで登録されています。

パカ子 やっぱり遊び目的の人が、ほぼいなかったことが良かったですね。私は3歳下の28歳から、上は38歳を希望年齢にしていて、実際に来たのは28~35歳くらいで、それより上は来なかったです。だいたい35歳くらいの方が多くて、みんな真剣でした。結局結婚した相手は年下だったのですが(笑)。困ったことは……特に思いつかないですね。

――どれくらいの活動期間で出会われたんですか?

パカ子 私は登録してから退会するまでが4カ月で、出会ったのは3カ月目くらいでした。

遊佐 私は夫と出会うまで1カ月もないくらいでした。「アエルネ」ができてすぐ登録して。

長谷川 えっ、では遊佐さんご夫婦は、無料期間中に……(笑)。

遊佐 はい、すみません。その間に出会えていました。でも「アエルラ」のパーティから行っていたので許してください(笑)。

一同 笑。

デートの相手は、憧れの漫画家!? ラノベ作家、声優さんの登録も!

――オタク婚活は、ほかの婚活と比べて、お互いの趣味への理解度が段違いに高いですよね。メールのやり取りも盛り上がるし、実際に会ってもすぐ意気投合できる。結婚してからもうまくいくケースが多いようです。趣味についてのお話を伺えますか?

遊佐 うちはぜんぜん趣味が違います。かぶっているものも、ほんの少しあるんですけれど。たとえば夫はBLにも理解があるのですが、好きな作品は違うんです。野球とか、彼が先に好きで、私がはめられた感じの趣味もありますね。あと、うちは漫画描き同士なので、彼が絵に関してデッサンの狂いを指摘してくれたりして、おかげでちょっと上達したと思います(笑)。

パカ子 趣味はうちもだいぶ違いますね。それ私は興味ないから、一人で楽しんで、みたいなこともよくあります。私はゲームをほとんどしないのですが、夫がゲームプログラマーなので、彼が関わったゲームをやったり、ゲームのイベントとか、ドールショウとか、今まではそれぞれ一人で行っていたようなオタクイベントに一緒に行ったりするようになりました。

――オタク婚活のおすすめポイントは?

遊佐 恋愛をすっ飛ばしてでも、真剣に結婚したい人にはおすすめです(笑)

パカ子 異性と何を話したらいいのかわからない人にとって、特にいいのではないでしょうか。最初のきっかけとして、好きな作品とか、趣味の話ができる、というのは大きいと思います。

――登録しているのは、クリエイターの方が多いんですか?

長谷川 どこまでをクリエイターと言ってよいのかわかりませんが、職種として一番多いのはSE(システムエンジニア)さんですね。公務員の方もたくさんいます。あとは漫画家さん、声優さん、ラノベ作家さん、ゲーム会社、アニメ制作会社など、オタク趣味の延長線のような職業についていらっしゃる方がとても多いですね。遊佐さんに質問なのですが、漫画家同士でのご結婚はいかがですか? 同業同士のほうがうまくいくのでしょうか?

遊佐 私は同人をやっていて、イベントも参加するし、原稿を描いているとデートで外に行ったりとかもあまりできないから、やっぱり、そういうことに理解がある、絵を描く人同士がいいなという気持ちがありました。私の婚活対象にはそんなに絵を描く人はいなかったので、ラッキーでした。実は知り会う前から、彼の単行本を2冊持っていて、憧れの人でしたが、それ以上に、弟が彼のすごいファンだったんです。初めてのデートで、名刺をもらうまでは自称漫画家かな? と思っていたんですが、名刺をもらったら、ファンだった相手でびっくりしました(笑)。

長谷川 それはすごいご縁でしたね! 遊佐さんのところは漫画家同士でうまくいってよかったです。アルパカ子さんは、お互いの趣味はそれほどマッチしていなくても、出会いで運命を感じられてまた違ったパターンで、どちらもほんとうにおめでとうございます。

遊佐パカ子 ありがとうございます!

――と、話が盛り上がってきたところで、お仕事を終えた、遊佐いつかさん、アルパカ子さんのパートナーが、合流! まもなく1歳になる遊佐さんの娘さんもご一緒に、後編は、パートナーも交えての座談会をお届けします!

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