やらかしてしまってからでは遅い! 知っておくべき大人のタブー常識

ビジネス

公開日:2016/10/19

『「行けたら行きます」は会社でNG! 大人のタブー常識』(トキオ・ナレッジ/宝島社)

 世の中には社会人にあるまじき行為や発言をしておきながら、そのことに気付いていない人がいる。それはきっと、これまで世の中のタブーに関心を示さず生きてきたうえに、周りからも指摘されなかったためだろう。そこで、自分がタブーを犯していないかを確認するために『「行けたら行きます」は会社でNG! 大人のタブー常識』(トキオ・ナレッジ/宝島社)を取り上げる。

大人のタブー常識を6つに分類

 大人が人と接する場面は職場や家庭だけではない。シチュエーションによってタブーとされることが微妙に異なるため、この本では大人のタブーを次のように6つに分類している。

第1章 やってはいけない「人間関係」のタブー
第2章 恥をかく「オフィス」のタブー
第3章 知っておきたい「上司」のタブー
第4章 人格が問われる「大人の品格」のタブー
第5章 すれ違いっぱなし「男と女」のタブー
第6章 切っても切れない「おつき合い」のタブー

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 このうち、第1章で挙げている「人間関係」のタブーには、社会人になりたての人がやりがちなタブーが多い。アルバイト時代に使っていた言葉や、学生時代のノリをそのまま職場に持ち込むと、職場では失礼になったり、場で浮いてしまったりすることになる。特に、SNSやツイッターに関するタブーは、知らないまま社会人になってしまうと後々トラブルにも発展しやすい。読めば学生やアルバイト時代の常識はオフィスでは通用しないのだと痛感させられるはずだ。

タブー指数とタブーMEMOでよりわかりやすく

 この本では、それぞれのタブーにタブー指数とタブーMEMOが付いている。タブー指数とは、どれくらい重要度が高いタブーなのかを表したもので、どくろの数1~5個の5段階で表されている。例えば、無礼講に関するタブーや冠婚葬祭に関するタブーなどはどくろ5個の最重要項目だ。一方、タブーMEMOとは、取り上げた項目の重要ポイントを数行にまとめたものだ。だから、ざっとひと通り目を通してみたいというのであれば、タイトルとタブーMEMOだけを読んでいっても何が書かれているのかはわかる。しかし、本当にやりがちなミスはMEMO以外の部分にも書かれている。できればタブーMEMOだけではなく、しっかり中身も読んでおきたいところだ。

知らずにパワハラをしている上司

 オフィスでありがちなタブーと言えば、同僚や上司に対するものだけではない。上司が部下に対してしてしまいがちなことにもタブーがたくさん潜んでいるのだ。実は、気付かないうちにパワハラをしていることも少なくない。いくら「部下を思ってしたこと」と言っても通用しないこともあるため、ダメだとわかったらすぐにでも改めておきたい。

 頭ごなしに怒る典型的なパワハラ上司も問題だが、NGワードを連発して、部下のやる気を削ぐような上司も問題だ。例えば、部下が失敗したとき、「代わりはいくらでもいるんだ」「だからお前はダメなんだ」などというセリフを使っていないだろうか? もし使っているなら、それは愛のムチでも何でもない。ただのパワハラだ。「この仕事何年やっているんだ」などというセリフは、遠回しに「今すぐ会社を辞めろ」と言っているようなものだから、使ってはいけない。部下になめられるような接し方もまずいが、威圧的な態度を取るのは自分の器の小ささを露呈しているようなものだ。

大人とは上手に人と関われる人

 大人の品格タブーから後の内容は、オフィスに限った話ではない。社会生活を送るうえで欠かせない大人のマナーについて書かれている。タブーと言っておきながらマナーについて書いてあるの? と思うかもしれないが、マナーがすべきことだとしたら、タブーはしてはならないこと。だから、結果的に同じことを反対側から述べることになって当然だ。人との付き合いのうえでやってはならないことを知ったとき、ただやらないのではなく、「では、こういうときどうするのが正解なのか」と考えるのが大人。大人とは、上手に人と関わるための術を身に付けた人のことをいうのだろう。

文=大石みずき