童貞がギャルと付き合うことになったら…? 果たして「はじめて」から卒業できるのか!? 話題のギャルラブコメ『はじめてのギャル』

マンガ

更新日:2016/11/15

『はじめてのギャル』(植野メグル/KADOKAWA)

 クラスの中でも地味で目立たないDT(童貞)にとって、最も恐ろしい存在――。それは“リア充”である。スクールカーストの上位に位置する彼らと、底辺をさまようDTたちは決して相容れることはないのだ。そして、中でも“ギャル”という者たちは、容赦なく口撃を仕掛けてくる強敵である。では、そんなギャルとDTが付き合うことになったとしたら……?

 10月26日(水)に第2巻が紙版電子版ともに発売された『はじめてのギャル』(植野メグル/KADOKAWA)は、ひょんなことから派手なギャルと付き合うことになってしまったDTのドタバタを描いたラブコメだ。第1巻は発売後すぐに重版がかかり、累計10万部を突破。その内容はもちろん、ヒロインとして登場するギャル・八女さんがかわいすぎると話題を集めている。

 主人公となるのは、DTの羽柴。恋の季節である春がとにかく憎くて仕方ない高校2年生だ。そんな彼は、ある時DT仲間から、八女さんへの告白を無理矢理セッティングされてしまう。そして、「ギャルは案外押しに弱い」「土下座で頼めばイケる」という誤った情報を刷り込まれた羽柴は、やぶれかぶれで八女さんに「お願いです! 俺と付き合ってください!」と土下座をする。

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 それに対する八女さんの回答は、「キモッ」。しかし、必死に頭を下げる羽柴を見て、交際を了承する。……え、これどんな展開!? ついにDTに春が訪れるの? と思いきや、軽そうに見えてなかなかガードが固い八女さん。付き合うことになったものの一向に“卒業”のチャンスが訪れない羽柴にとって、八女さんとの日々はまるで生殺し。こうしてDTとギャルのちょっと変わった恋愛がスタートするのだ。

 これまで恋愛とは縁遠かった羽柴からすると、なにもかもが“はじめて”の連続。学校帰りの制服デート、カップルシートで観る映画、ふたりきりで撮るプリクラ……。そのたびに羽柴はよからぬ妄想を繰り広げ、八女さんにかわされてしまう。そんな羽柴の姿は共感度大! 勝手に先走り、ひとりで慌て、自滅する。恋愛のイロハをわかっていないDTの滑稽さ、そして一生懸命さが描かれている。

 第1巻のラストで、ついにキスをしたふたり。不器用ながら少しずつ進展していく初々しい恋愛描写に、読者もキュンキュンすることだろう。しかし、続く第2巻では、八女さんの先輩だという謎の“黒ギャル”が現れ、なにやら不穏な展開を予感させる。「絶対にぶっ壊してやる」。この黒ギャルのセリフから、ふたりの恋に波乱が巻き起こるのは必至のようだ……。

 DTとギャルという両極端なふたりが、これからどんな高校生活を送っていくのか。多少のまどろっこしさも抱えつつ、その恋愛をゆっくり追いかけていきたいと思う。

文=五十嵐 大