アサイー製品にアサイーは入っていない!? 女子の“食生活あるある”に衝撃の事実!【森拓郎インタビュー】

健康・美容

公開日:2016/10/27

 朝食はスムージー、アサイー大好き、サラダを食べていればOK……一見、ヘルシーな食生活のようですが、『オトナ女子のための食べ方図鑑 食事10割で体脂肪を燃やす』(ワニブックス)の著者・森拓郎さんは、そんな“オトナ女子”が陥りがちな悪しき食べ方に警鐘を鳴らします。本書を読むと、いかに自分が間違った食べ方をしていたかに気づかされ、イタタタタと凹みもするのですが……それだけ説得力のある内容だということ。

 まずは、なぜ「食事10割」なのか、森拓郎さんにお話を伺いました。

――「食事10割」ということは、運動はしなくてもいいということでしょうか。

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「定期的に運動をしているフィットネス人口は、日本の場合、全体の約3%と言われています。フィットネスクラブに通っていたことがあるという人はかなりいるんですけど、継続している人は本当に少ない。なので、運動は続かないという前提なんです(笑)。『運動不足だから体が変わらない』と思われているかたが多いんですが、運動しているからといって食事を疎かにしてはいけないし、食事だけでも体は変わるんですよ」

――「運動をすると栄養素も失われる」と書かれています。

「運動をすることによって、エネルギーを消費するじゃないですか。エネルギーを消費するときに、ビタミンやミネラル、たんぱく質などを分解して消費してしまうので、もともと栄養バランスが悪い人が運動をすると、必要な栄養素をどんどん消耗して体の代謝が落ちてしまうんです。ただでさえ食生活が悪かった人が食べる量を減らして運動を始めると、やつれながら痩せていく。僕はよく、『太りやすくなりながら痩せる』と言っています。まさにリバウンドするためにやっているようなことなのですが、そうしてリバウンドをすると、筋肉が戻らずに脂肪だけが増える。10代、20代のうちにそういったダイエットを繰り返すと、30代になってから痩せない体になってしまうんです」

――本書を読んで、お肉、魚、卵をたくさん食べるようにしたら、痩せました!

「動物性のものを食べるというのは、私たちも動物なので、そのまま栄養バランスが整いやすいんですよね。シンプルに言えば、動物性のものを手のひら一枚分くらい、毎食、食べるだけでほとんどの栄養を完結することができます。そこに足りない分を野菜で補うとか、糖質があったほうがある程度、活動エネルギーにもなるので、それぞれこれくらい、というのをこの本では指定させていただいています」

間違った食べ方のオトナ女子たち

●野菜大好き草食女子

「カロリーしか見ていないんですよね。エネルギーを減らすことだけに固執している。でもエネルギーと言っても、素材が糖質なのか脂質なのかたんぱく質なのかで変わってきます。それぞれが吸収される場所も違うので、お肉で200kcal摂ったのと、ご飯で200kcal摂ったのとでは、体の中の化学反応がまったく違ってくるんですよ。低カロリーなものばかり選んで摂取エネルギーを減らしてしまうと、体はそれに合わせて代謝を落とすんです。栄養バランスというのは、たんぱく質、脂質、炭水化物(糖質)という三大栄養素でできているのですが、野菜はそのどれにも該当しないんです。『野菜はミネラル、ビタミンが豊富』と言われますが、ほとんどが水と食物繊維なので、エネルギー源にはなりません。野菜を沢山食べるだけでは栄養バランスは取れないですし、代謝は上がらないんですよ。

●ハワイでトロピカルジュース女子

「フルーツは、野菜よりももっと摂る必要がないです。お菓子です(笑)。ケーキを食べるよりは、フルーツを食べるほうがいいとは言えます。果物って甘いじゃないですか。お菓子を食べているのと一緒なんです。スムージーも同じで、糖質を入れ過ぎている人が多いんですよね。まったく糖質を入れていない青汁を飲むんだったらいいんですけど、バナナやリンゴを入れて、緑だからヘルシーと思っている人が多いんです。でも飲んでいるのはほとんど糖質なので、お菓子と一緒なんですよ。豊富と思われるミネラル、ビタミンは、フルーツに含まれる糖質を処理するには、むしろ足りないくらいです。」

●カロリーゼロ飲料大好き女子

「ダイエットでカロリー制限をしている人が、エネルギーを欲しいという状態になったときに『カロリーゼロだったら』と本能的に手を出し始めるというのは、エネルギー不足で代謝が落ちている状態です。味覚は刺激するけど、結局エネルギーは入ってこない。栄養不足がどんどん加速するので、カロリーゼロ系が欲しくなっちゃうのは、既に栄養不足が始まっているかたが多いと思います。本来はもっと高栄養のものを体は欲しがっているのに、味覚しか刺激しないものを摂るというのは、本能とはべつのことをしているんです」

――ちなみに、「コカコーラ」と「コカコーラ・ゼロ」だったらどちらがいいですか?

「コカコーラ・ゼロです。その二択だったら、100倍、ゼロのほうがいいです。人工甘味料も摂りたくはないですが、それより摂るべきではないのは、清涼飲料水の主成分である果糖ブドウ糖液糖という異性化糖なので。コーラはサイアクですよ。果糖だけを大量に摂取するのが一番、体に悪いです。フルーツジュースを薦めないのもそうです。果物自体はそもそも水分と食物繊維が多いので、果糖を摂りすぎにはなりにくいです。リンゴ1個を食べるのとリンゴジュースを飲むのでは、飲食する時間も、吸収スピードも違いますから。フルーツジュースよりも果糖が多いのが清涼飲料水で、コーラとかサイダーとか、最近増えている透明の甘い水とかですね。あれは透明ですが、じつは一番危ない部類です」

アサイー大好きスーパーフード狂女子

「アサイーもお菓子ですね。アサイー自体はいいと思うんですけど、グリーンスムージーと同じで、紫にしたらアサイーが入っていそうな気がしますが、アサイーを謳っている製品のほぼ全ては、じつはアサイーはほとんど入っていません。アサイーは本来、味はしないし生臭くて、すごくマズいんです。それを消すために、フルーツや蜂蜜を入れているんですよ。アサイー以外のスーパーフードも、栄養価は高いとはいえ、一般の食品と比べて重宝するほどのものではありません。『○○の何倍』とか書かれていますが、それはフリーズドライにした粉の状態と食品そのものを比べていることがほとんどなんですよ。アサイーの粉と、牛乳の液体を比べたらダメじゃないですか(笑)。牛乳の粉と比べたら、絶対牛乳のほうがカルシウムありますから」

 雑誌のモデルさんが「イイ」と言ったものを、そのまま真似してはいけないんですね。森拓郎さん曰く、「雰囲気だけで判断せずに、なぜそうなのかを理解できるようになりましょう」とのこと。ダイエットよりもまず、“食改善”。正しく食べて、美しくなる。それがこれからの“オトナ女子”のトレンドですよ!

取材・文=尾崎ムギ子