なぜこんなに音やにおい、相手の表情が“気になってしかたがない”のか? 敏感すぎて生きづらい人たち「HSP」の特徴

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更新日:2017/9/19

 世の中を生きづらい「HSP」達が、その敏感さを武器に強く生き抜くヒントを教える『鈍感な世界に生きる 敏感な人たち』が2016年10月15日(土)に発売された。

 近年「HSP(Highly Sensitive Person:とても敏感な人)」というキーワードが取り上げられ始めた。この言葉は、1996年にアメリカの精神分析医で学者のエレイン・アーロンによって提唱された。性別を2つに分けるように性格を2つに分類した際に、タフなタイプと対になる言葉をHSPと呼んでいる。

 HSPの人は、他の人に比べて敏感で五感が優れていたり思慮深いため、疲れやすかったり内向的になりやすく、そのネガティブな部分にばかりスポットライトが当てられてしまいがちだ。同書ではHSPというセンシティブな人達が、どう自分や他人と向き合えばよいかについて、自身もHSPで心理療法士である著者が各章ごとにわかりやすく解説している。

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 まず第1章では、HSPについてと、HSPの能力・長所を紹介。HSPの人は一つのことを多角的に見れたり、人に共感しやすく気配り上手であったりと、様々な長所を持っている。

 次に第2章では、HSPの人がその敏感さ故にどういった心の問題を抱えてしまうのかを紹介。自分自身に高度な要求をしてしまったり、力の及ばないことに対して罪悪感や羞恥心を感じてしまい、憂鬱になりやすい傾向にある。

 そしてここまでの内容を受け、後半ではHSPの人が周りの人や自分とどう付き合っていけばよいのか、その方法を紹介している。自分や相手への理解を深めることで、繊細な方が自身の能力を活かせる環境や、周りとのうまい関わり方ができるようになる。同書を読むことで、繊細すぎることや敏感すぎることは、必ずしも制約になるだけではないことが分かるのではないだろうか。

Ilse Sand(イルセ・サン)
心理療法士。デンマークのオーフス大学で神学を学び、C・G・ユングとキルケゴールに関する修士論文を執筆。また、いくつかの心理療法的アプローチの訓練を受けており、デンマークの心理療法教会の会員でもある。数年間、デンマーク国教会の教区司祭を務め、現在はスーパーバイザー、トレーナー、講演者、セラピストとして活動している。

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