モヤモヤがス~っと消える! 1日5分の心のエクササイズ「マインドフルネス」

暮らし

公開日:2016/10/28

『心を整えれば、シンプルに生きられる 1日5分の「マインドフルネス」習慣(王様文庫)』(リチャード・デビッドソン、シャロン・ベグリー:著、茂木健一郎:訳/三笠書房)

 超ストレス社会と言われる現代。忙しい毎日の中で仕事や人間関係に不安を感じ、心にモヤモヤを抱えている人は多いのではないだろうか。

 このネガティブな感情をコントロールし、ポジティブな思考に変える方法として、海外では「マインドフルネス」が話題になっており、グーグルやフェイスブックなどの先端企業が創造性を高める方法として取り入れているという。

 『心を整えれば、シンプルに生きられる 1日5分の「マインドフルネス」習慣(王様文庫)』(リチャード・デビッドソン、シャロン・ベグリー:著、茂木健一郎:訳/三笠書房)は、感情や脳の仕組みを解説し、心を整えるマインドフルネスの方法を紹介している。

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マインドフルネスって何?

 マインドフルネスとは、感情に流されず「今あるがまま」の状態に穏やかに集中できている状態のことだ。この原点は仏教の瞑想にあるという。

 マインドフルネスの考え方で重要なのは「今、ここ」を大切にすることだ。自分自身の心を観察し、感情や体に起こっていることを客観的に捉えることで、ネガティブな感情をポジティブな思考に変えられるようになるという。

 長年瞑想を研究してきた著者は結論として「自分で自分の脳をつくり変えることは可能である」と述べ、痛みが消えた、自分を苦しめた相手を思いやれるようになったなど驚くべき変化がもたらされたエピソードを紹介している。

自分自身と向き合う 6つの感情スタイル

 マインドフルネスのトレーニングは、まず自分自身を知ることから始まる。私たちの個性や性格と呼ばれるものは以下の6つの感情スタイルで形成されているという。

1.気持ち切り替える「回復力」
2.前向きさを保つ「展望力」
3.人に寄り添う「社会的直観力」
4.自分の内面と向き合う「自己認識力」
5.周りに気配りをする「状況への感受性」
6.目の前のことに集中する「注意力」

 本書には質問に答えることで、自分がどんな性質を持っているかを分析することができるシートがついている。感情スタイルに理想形はないので、自分の変えたいポイントに絞ってトレーニングするのもよいそうだ。

不安が消える 気づきの瞑想

 心にモヤモヤがある時は自己認識力を高める気づきの瞑想をぜひ試してみてほしい。本来の仏教の瞑想より簡単にアレンジされていて1日2回5分ほどで効果があるという。

(1)目が冴えている時に、床か椅子に座って背筋を伸ばし、身体の力を抜いてリラックスする。
(2)呼吸に集中し、息を吸ったり、吐いたりする時に体全体にどんな感覚がもたらされるか、おなかがどう動いているかを注意してみる。
(3)鼻先に意識を向ける。呼吸のたびに生じる感覚に注意してみる。
(4)無関係な思考や感覚が生じて注意が逸れたら(1)に戻る。心に浮かんでくるものにとらわれず、何も判断せず、ありのままに見ることだけに集中する。

 この他にも様々な瞑想法やエクササイズが多数紹介されている。よりよく生きるためのヒントとして「マインドフルネス」を取り入れてみてはいかがだろうか。

文=鋼 みね