止まらない片想い!『ONE PIECE』ハンコックの“恋はいつでもハリケーン”ランキングベスト5

なんでもランキング

更新日:2016/11/15


『ONE PIECE』(尾田栄一郎/集英社)

 今年も読者のもとに訪れただろうか。恋のハリケーンが。これから恋愛をしようとする人に、ぜひ見習ってほしい恋の姿勢がある。『ONE PIECE』(尾田栄一郎/集英社)に登場するボア・ハンコックの猛烈な片想いである。ハンコックといえば、七武海の一人であり、絶世の美女でもある。女性の中で頂点に立つお方だが、女人国という男とは無縁の世界に生きてきたせいか、恋愛がからきし分かっていないらしい。しかも恋をしてしまった相手はルフィだ。ルフィも恋愛を全く理解していない。したがってハンコックの恋は、宙に浮いてしまっている。だが、ハンコックはこの上なくポジティブなのだ! ルフィに友達呼ばわりされても、ハンコックはめげることなくルフィを見つめ続けている。これぞ、これから恋をしようという人に必要な姿勢ではないか!東の海にはこんなことわざがある。「恋はいつでもハリケーン」! これから恋をする人のため、ハンコックの恋のハリケーンランキングをお届けしたい!

1位
「これが…両想い」
ONE PIECE 54
ONE PIECE 54
  • 著者名:尾田栄一郎
  • 発売元 : 集英社
  • 価格:

 エースを救い出そうとするルフィのため、ハンコックはインぺルダウンへの侵入に力を貸すことに。侵入に成功した際、ハンコックは別れ際、ルフィに「暴れないでほしい」という約束を求める。それに応じたルフィは、がしっと手を握り、ハンコックへの感謝を示す。

ルフィ  「よしわかった約束だ!ほんっっとにありがとうハンコック!この恩は忘れねェ!いつか必ず返す!」
ハンコック「(今…。そなたわらわの事を…“ハンコック”と呼んでくれたのか…?)もはや今生に…くいはなし…これが…両想い」

 何が起きたか分からない読者のために解説すると、どうやらルフィは今までハンコックのことをずっと「ハンモック」と呼んでいたらしい。ところが今回は「ハンコック」と呼んでくれたのだ。それが嬉しくて、ハンコックは膝から崩れ落ちている。しかし、なぜこれが両想いにつながるかは、私にも分からない。とにかく、これほどポジティブな恋をしていれば、いつか必ず実るはずだ。ちなみにこの後、ルフィはエレベーターに乗ったハンコックに遠くから「ありがとう」と口パクで告げている。それを見たハンコックは「“愛している”と言われた」と勘違いし、卒倒している。…いつか必ず彼女の恋が実るはずだ。

2位
「え!? 何と懐かしいっ! そなたもしやレイリーではないか!?」
ONE PIECE 60
ONE PIECE 60
  • 著者名:尾田栄一郎
  • 発売元 : 集英社
  • 価格:

 女ヶ島でルフィをかくまうことにしたハンコック。壮絶な戦いの治療から目を覚ましたルフィにご馳走をふるまうため、ルフィのもとを訪れたハンコックは、大変な失態を犯してしまう。実はこのとき、冥王シルバーズ・レイリーも女ヶ島を訪れていたのだ。恩人レイリーを目の前にして、ボア3姉妹の反応がこれだ。

ソニア「レイリー!?」
マリー「レイさん!?」
ハンコック「ルフィ!!!」

 ボア3姉妹はレイリーに大恩がある。その恩人を堂々と無視してしまうハンコック。姉の無礼な態度に怒る妹たちだが、もうハンコックにはルフィしか見えていない。

ハンコック「ルフィ…目を覚ましたのじゃなっ!わらわ心配で夜も眠れず…!」

 ルフィしか見えていないのだが、ハンコックは恥ずかしくてルフィを見つめることができないのだ。しばらくしてハンコックは大事なことに気づく。

ハンコック「え!?何と懐かしいっ!そなたもしやレイリーではないか!?」

 恋は盲目というが、ここまでくると…。いや、これくらい盲目でないと恋は成就しないのだ!恋はハリケーン!視界が悪くて当然なのだから!

3位
(これが噂に聞く…!結婚…!?)
ONE PIECE 57
ONE PIECE 57
  • 著者名:尾田栄一郎
  • 発売元 : 集英社
  • 価格:

 エースを助けるため、とうとう頂上戦争にやってきたルフィ。ところが、エースの前に立ちはだかる一人として、スモーカーが現れる。きつい一発をもらい、ルフィが絶体絶命のピンチ!そのとき助けにやってきたのがハンコックだった。大切な人が襲われ、立場を忘れて怒り狂うハンコック。そしてハンコックは、こっそりルフィにエースの手錠を解くカギを渡す。それをもらったルフィは歓喜し、ハンコックに抱きつく。「はぁん…♡」と崩れ落ちるハンコック。騒然とする海軍兵士たちを尻目に、ハンコックはこう思う。

(こんなに力強く抱きしめられるとは…!これが噂に聞く…!結婚…!?)

 違う! 違うぞハンコック! 決して結婚ではないと思うぞ! いや…ハリケーンの中では、誰の声も届かない。止まらない恋が稲妻のように光った瞬間だった。

4位
「な…なんてやりとりをしたりして…♡」
ONE PIECE 54
ONE PIECE 54
  • 著者名:尾田栄一郎
  • 発売元 : 集英社
  • 価格:

 頂上戦争に招集されて、海軍の軍艦に乗るボア・ハンコック。ルフィもインぺルダウンへ侵入するため同行し、2人は軍艦の一室で食事をとっている。これはまたとないチャンス!

ハンコック「ルフィ…さァ…たんと食すのじゃ♡」
ルフィ  「極めて美味だなあ。お前に食べさせて貰う事で一段と甘味な食事になるぜ!」
ハンコック「まあそんな♡」

 おおお! 気がつけばもうルフィの恋人になっているではないか! さすが絶世の美女! 手が早い!…と思えば、これはハンコックの妄想である。現実は、ルフィはいつも通り下品にバクバク飯を食い、ハンコックは恥ずかしくて後ろを向いて座っており、胸がいっぱいで食事をとっていなかった。「な…なんてやりとりをしたりして…♡」。そうつぶやくハンコックは超絶カワイイ。私なら後ろから抱きしめる。ルフィは本当にアホだ。

5位
「わらわは…どこへでもゆきます」
ONE PIECE 53
ONE PIECE 53
  • 著者名:尾田栄一郎
  • 発売元 : 集英社
  • 価格:

 5位は、ハンコックがルフィに恋をして、寝込んでしまったところより。ルフィとの別れに耐えられなくて、胸が締めつけられるハンコック。おろおろするボア姉妹と医師だったが、ルフィが話をしたくて訪れていることを知ると、ハンコックは病を忘れて立ち上がる。ルフィの申し出は、インぺルダウンへ行きたいというもの。しかし、過去の壮絶な過去を背負うハンコックには、その申し出はあまりに過酷。無論ブチギレるボア姉妹だったが…。

 ハンコック「七武海の招集に…応じろというのね。そなたがそれを望むなら、わらわは…どこへでもゆきます」

 あっさり快諾してしまった! これぞ恋の力である。そして「わらわは…どこへでもゆきます」と言うハンコックの顔は、まさに恋する乙女の顔である。美しい…。あまりに美しい。この事態に驚くボア姉妹とニョン婆。そしてニョン婆はあのことわざを思い出した。

「東の海にはこんな諺があるという…恋はいつでもハリケーン!!!」

 今回のランキングを組んでいるうちに、私はなんだか猛烈にハンコックのことが愛しく思えてきた。屈強な戦士のハンコックにこんな一面があるなんて…。いかん!絶対に叶わない恋には手を出してはいけない!…のに…。今年も読者のもとに恋のハリケーンは訪れただろうか。私は、たった今、ハリケーンの訪れを感じている。

文=いのうえゆきひろ