ミスをしても慌てない! 周りの評価を一気に変える逆転ワザ

ビジネス

公開日:2016/11/14

『仕事ができる人の逆転ワザ』(濱田秀彦/すばる舎)

 ミスを犯したり、思いもよらないピンチに見舞われたりしたときほど、一気に形勢を逆転したいと誰もが思うはずだ。特に仕事上のミスは、時間をかけてコツコツと修復していたのでは、周りとの差が縮まらない。それどころか、下手をすると差が開いてしまう可能性もある。そこで、周りの評価を一気に変えるピンチの乗り切り方を紹介する『仕事ができる人の逆転ワザ』(濱田秀彦/すばる舎)を取り上げる。

5タイプ42種類の逆転ワザ

 この本では、仕事上でピンチになり得ることを42種類挙げ、それらの対処法として逆転ワザも42種類紹介している。42の逆転ワザは次の5タイプだ。

第1章 キホンの逆転ワザ
第2章 ビジネス会話の逆転ワザ
第3章 プレゼンの逆転ワザ
第4章 上司対応の逆転ワザ
第5章 評価アップの逆転ワザ

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 例えば、キホンの逆転ワザのところには、ピンチとして「なんでこんなに仕事が多いんだ?」と思うくらい仕事に追いまくられている状況が挙げられている。そして、その場合の対処法には「手抜きできる仕事を見つけろ」というアドバイスが載っている。また、上司対応の逆転ワザのところでは、「ゴマすりしないから評価が低い」という愚痴に対して、「正しいゴマのすり方をしろ」というアドバイスが載っている。ゴマすりで有利になるほどの人事考課の差はないとしたうえで、揉み手で心にもないゴマをするより、相手を気分よくさせられるような言葉を選んで話せというアドバイスなのだ。たった一発で逆転できるほどのワザかどうかは別として、どれも端的で理にかなったアドバイスであることは間違いない。

ポイントと未来の姿でわかりやすく

 この本は、1つの逆転ワザが4ページにまとめられている。1ページ目は「ピンチ」と「逆転ワザ」についてしか書かれていないから、パッと見ただけで内容がすんなり入ってくる。どの逆転ワザについても、説明は2ページ半でまとめられており、4ページ目の後半は説明の「ポイント」と、逆転ワザを使った結果期待できる「未来の姿」について書かれている。例えば、前項で紹介した仕事に追われている人の場合、手抜きできる仕事を見極められるようになった結果、未来の姿は重要な仕事だけに時間をかけられるようになっているという具合だ。だから、今の自分にとって必要な部分だけ目を通すという読み方も簡単にできる。

太字でメリハリがついていてわかりやすい

 2ページ半というボリュームの各逆転ワザを説明している部分には、一部太字で書かれているところがある。だから、時間がない人は、太字のところを追って読んでいけば、何に注意したらよいのかもよくわかる。もちろん、実践するためには隅々まで読んだ方がいいが、とりあえずピンチを乗り越えたいというときには、この太字がきっと役に立つはずだ。

逆転ワザだが普段から使える

 逆転ワザというと、いざというときの最終手段という感じにも聞こえるが、決して特別なことではない。普段から気を付けていたら、仕事がうまくいくような内容ばかりだ。例えば、ビジネス電話をかけるのが苦手な人に対して、「仕事場の電話を取りまくって体で覚えてしまえ」というアドバイスがあるが、これこそ普段から使っておかなければいつまで経ってもクリアできない問題かもしれない。電話はかけるなら前もって話す言葉を準備できるから、かかってきた電話に出る方が難しいとも言える。だから、かかってくる電話に対応できるようになれば、かけることは苦にならなくなるという話だ。だから、逆転ワザとして挙げられていることの中から普段の仕事で取り入れやすいことは、最初から行動パターンに組み入れるようにしておくとよいだろう。

 17年間で3万人以上の研修講師を行ってきた濱田秀彦氏は、人は仕事を続けていく中で立場が逆転するものだと言っている。つまり、スタートダッシュがよかった人でも、そのまま伸び悩むことがあるし、若いころはイマイチだった人が、数年後かなり仕事ができる人になっていることもある。ピンチをどう乗り越え、失敗をどう活かしたかで未来が大きく変化するのなら、この本を参考に未来を変えてみてはどうだろうか。

文=大石みずき