ほろっとくずれるスペアリブ、幸せ感じるチーズとろ~りスープ…簡単なのに味はビストロ級!「つくりおき」イタリアンレシピ【作ってみた】

食・料理

公開日:2016/11/20

『つくりおきイタリアン』(大島節子/河出書房新社)

 毎日のメニューや突然の来客に「何を作ろう?」とお悩みのヒトも多いはず…。そんな方に読んでもらいたい1冊が、『つくりおきイタリアン』(大島節子/河出書房新社)です。

 本書は、著者のイタリアでの経験をもとに作られたレシピ集です。滞在先の農業体験型宿泊施設の食卓には10分もたたないうちに、数々のイタリア料理が並んだといいます。その速さのワケは、保存食を上手に料理に生かしていたから。本書ではそんな保存食をメイン料理や、日本人に合わせたアレンジ料理にして紹介しています。

 副菜、主菜、ソース、デザートに分類されたそれらのレシピはなんと110種類以上にのぼり、作り方のほとんどは3~5工程でとてもカンタンです。またメイン料理の各レシピには保存方法と期間が載っているので、安全につくりおきができます。

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 そんなレシピの中から、つくりおきのメイン料理とそれをアレンジした料理2品を作ってみました。

1、【メイン】口の中でほろりとくずれる「豚肉と玉ねぎのとろとろ煮」(P.65)


 材料は、豚スペアリブ、豚ロース、玉ねぎ、ピーマン、にんにく、トマトペースト、オリーブオイル、白ワイン、ローリエ、塩、こしょう。

 作り方は、豚肉に塩、こしょうをし、30分おきます。玉ねぎは薄切りにし、ピーマンは種を取り除き4等分に。オリーブオイルとにんにくをフライパンに入れ、香りが立ったらにんにくを取り出し、スペアリブを入れます。焼き色がついたら、豚ロースを加え、白ワインでひと煮立ちさせ鍋に移します。そして玉ねぎ、ピーマン、トマトペースト、ローリエを加え、蓋をして1時間煮込んで完成。

 そのスープの味は豚と野菜の甘みが感じられ、トマトペーストの酸味がアクセントとなり、美味しいです。余計な味付けをしない素材だけの旨みが凝縮しています。そんなスープで煮込んだスペアリブは、とても柔らかく、その身は骨からキレイにはがれ、ホロホロとした食感がたまりません!

 この煮込み料理は、ホームパーティーの主役としても喜ばれる1品となりそうです。つくりおき期間は冷蔵で8日間です。

2、【アレンジ】幸せ感じるとろ〜りチーズの「オニオングラタンスープ」(P.66)


 材料はバケット、モッツァレラチーズ、水、塩、こしょう、イタリアンパセリ。

 さきほどのメイン料理(豚肉と玉ねぎのとろとろ煮)と水を鍋に入れ、塩、こしょうで味を調える。耐熱容器にそれらを入れ、バケットをのせ、チーズをかけてオーブントースターへ。こんがり焼けたら、イタリアンパセリをのせ、10分足らずで完成。

 スープがしっかり染み込んだバケットは最高に美味しいです。トマトの酸味はチーズによりマイルドな味わいとなり、口に運ぶスプーンがとまりません!

 「長時間玉ねぎを炒める=オニオングラタンスープ」というイメージからあまり作らなかったわたしですが、このレシピであれば、そんなイメージも一掃。忙しい朝でもカンタンに作って食べられます。

3、【アレンジ】カンタンなのに、味はビストロ級「ハヤシライス」(P.66)


 材料は水、トマトケチャップ、塩、こしょう、ごはん、イタリアンパセリ。

 鍋にメイン料理、水、トマトケチャップを入れて5分ほど煮た後、塩、こしょうで味を調える。刻んだパセリを混ぜたごはんを器に盛り、ルーをかけてあっという間に完成。

 1日おいたメイン料理は味に深みを増し、トマトピューレを加えたことでさらにまろやかに大変身! 口に入れた瞬間、ほぐれるロースにとろとろの玉ねぎはもはやお店で食べているかのようです。

 他にも魚介のマリネを使った手毬寿司のアレンジ、きのこのマリネとそぼろの混ぜごはん、ボロネーゼを使ったライスコロッケ、卵焼き、タコライス…などなど。さまざまなレシピが紹介され、日頃のおかずからおもてなし料理まで幅広く楽しめます。隠れ技を使った料理で、家族や友人を驚かせてみませんか。

文=澤 ゆか