その努力はムダかも!? 思い込みを捨て、本当に意味のあることを知れば、人生はうまくいく! 41の捨てるべきこと

ビジネス

更新日:2016/12/12

『すべてを手にする人が捨てている41のこと』(伊庭正康/かんき出版)

 努力しても報われないと思っている人。今の安定した生活に、物足りなさや不安を感じている人。けれど、現状を打破するような時間もなければ、それほどの情熱もない。世の中の多くは、自分の人生にとびきり不満でもないし、文句なしに満足、というわけでもないと思う。

 けれど、人生が「捨てる」という行為だけで劇的に変化するとしたら、一歩踏み出してみようという気持ちにはならないだろうか?

すべてを手にする人が捨てている41のこと』(伊庭正康/かんき出版)では「やるべき」だと私たちが「勝手に思い込んでいる」ことを明らかにして、人生を上昇させるための方法を教えてくれている、非常に読みやすく元気をもらえるビジネス書だ。

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能力はそのままに、性格もそのままに、転職をしなくても、ましてや独立なんてしなくても、どんな人でも、本書で紹介するちょっとした“とらわれ”を捨てるだけで、フワリと上昇気流に乗り、今とはまったく別の世界にいける。

 そんな誰でも実践できる別世界への一歩を、今回は少しだけご紹介しよう。

≪捨てるべきこと≫
○言われたことをそのままやる姿勢

 一つの仕事を言われた通りに「こなす」のではなく、「もっとこうしたら相手が喜ぶかも」「こういうマニュアルを作っておけば、後輩たちの役に立つかも」など、一つ一つの作業に「付加価値」=「感謝される要素」を盛り込むこと。つねにプラスアルファを狙いながら仕事をすることが、収入のアップにもつながってくる。

○「みんなと一緒」という安心感
 人と同じことをするという「安心感」は、決してあなたが本当に抱えている「不安」を消してはくれない。上昇気流に乗ろうとするなら、「みんなと一緒なら安心」という考えを捨て、「人とは違うこと」を選ぶこと。年収は「努力」よりも「希少性」との相関性のほうが高い。

○二次会
 会社の飲み会では二次会に行くか否か、迷うときもあるだろう。本当は行きたくないのに、お付き合いで参加したり、幹事に気を遣ってしまったり。しかし、「二次会は投資対効果」で考えるのがよい。「自分が主役」「二次会で得たいことがある」など、重要な理由がない場合は、無理に参加せず、幹事に「今日はありがとう、ごめん、二次会に参加するのが難しい」と「事前に」伝えておいたり、上の立場だったらいくらかお金を渡して帰ったりするなどの、「スマートな対応」をしたほうが、むしろ評価は上がる。

○オンとオフを分けるという発想
 仕事とプライベートを完全に分けて考える人も多いだろう。しかし、それは「仕事」=「疲れる、楽しくないこと」と、決めつけてしまっている。「オンかオフではなく、面白いか、面白くないかで考えた方が上昇気流に乗れるのでは?」と著者はうったえる。「仕事を面白いと思うこと」は簡単ではないかもしれないが、仕事も人生の一部。だったら、「オフのためにつらい仕事をがんばろう」と考えるより、仕事でも「面白い」と感じられるよう努力をしたほうがよい。遊びと仕事の境目がなくなったとき、スッと上昇気流に乗れるのだ。

 このような「とらわれ」ゆえの捨てるべきことを、41明示してくれている。

 収入アップや高い地位を望み、様々なことを「やらねば」と四苦八苦している人には、ぜひ参考にしてほしい。自分の望む人生を手に入れるための近道は、やるべきことを増やすのではなく、捨てることからなのだ。

 そして、この紹介されている事柄が「人間としてかっこいい」と感じるものが多かったのもよかった。「すべてを手にする必要はない」「俺は平平凡凡でいいさ」と考えている人でも、自身の人柄を磨くために、読んでみる価値はあると思う。

 本書では、最後に「捨ててはいけないこと」も教えてくれている。こちらはぜひ自分の目で確かめてほしいと思う。

文=雨野裾