東京・西荻窪の人気料理店「のらぼう」レシピ!『孤独のグルメ』久住昌之さんも惚れた「野菜自身が喜ぶ」ごちそうを召し上がれ【作ってみた】

食・料理

公開日:2016/11/26

『西荻窪「たべごと屋 のらぼう」の絶品レシピ62 野菜のごちそう 春夏秋冬』(明峯牧夫/KADOKAWA)

 「牧夫さんがつくるのは『野菜自身が喜んでいる味』。」(エッセイスト・平松洋子)、「地野菜っていい言葉。地元がおいしいのはすごく嬉しい。」(「孤独のグルメ」原作者・久住昌之)など、グルメ通の著名人が惚れ、帯にコメントが寄せられたレシピ本が今まであったでしょうか。『西荻窪「たべごと屋 のらぼう」の絶品レシピ62 野菜のごちそう 春夏秋冬』(明峯牧夫/KADOKAWA)は、西荻窪にある「たべごと屋 のらぼう」の店主が自分の目で厳選した三鷹をはじめとする地元の採れたて野菜を使って季節感のある献立を提案したレシピ本。季節ごとに旬を迎える野菜の美味しさを最大限に味わえるものばかりです。もちろん帯コメントからもわかるように、味の美味しさは保証済み。そこで今回は、これからの季節に美味しい野菜を使った冬の献立3品を実際に作ってみました。

1、つるっとした食感がクセになる「里いもうどん」(P.77)


 里いもをかつらむきにして、細切りにし、麺に見立てます。これを、塩を加えた熱湯で軽く食感が残るくらいに茹でて湯を切り器に盛ります。ここにだし汁、しょうゆ、みりんを煮立てたつゆを流し入れ、最後に茹でた水菜をのせれば完成です。

 1品目は、11月~12月に食べ頃を迎える里いもを使ったレシピです。里いもと言えば、たいていは塊のまま茹でて使うことが多いですが、ここではかつらむきをし、それを細切りにしてうどんに見立てるという、かなり斬新な方法で調理しました。食べてみるといつものねっとりした食感とは異なり、つるっとした食感が新鮮でおもしろく美味しい。優しい味のつゆとも相性ばっちりで、まるで本当に麺を食べているような気さえしてしまう料理でした。里いもの意外な一面に出会える一品。

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2、冬だからこそ甘みが増して美味しい「小松菜のシャキシャキ炒め」(P.82)


 ごま油を熱したフライパンに豚肉を入れてじっくり炒め、色が変わったら油揚げを加えてさっと炒めます。さらに、小松菜の茎、葉の順に加えて炒め、しんなりしたら塩こしょう、オイスターソースを加えて炒め合わせ、最後に鍋肌からしょうゆを回し入れて軽く炒めれば完成です。

 2品目は、肉厚な葉と茎が美味しい小松菜を使ったレシピです。一年中見かける小松菜ですが、実は冬のものは葉も茎も肉厚になり、また寒さで引き締まり、甘みが増して、美味しさは格別です。そんな小松菜を油揚げや豚肉と一緒にオイスターソースで味付けして炒めることで、味に深みがあるシャキシャキした炒め物になりました。ささっと炒めるだけで完成し、栄養バランスも良いので、忙しい時にも重宝します。冬だからこそ小松菜の美味しさを楽しめる一皿。

3、ホクホクしみしみでほっこり気分になれる「大根とスペアリブ煮」(P.86)


 ごま油を熱した鍋でスペアリブを焼き色がつくまで焼いて取り出します。同じ鍋で大根を焼き、先ほどのスペアリブを戻し入れたら、しょうが、水、酒、みりん、うす口しょうゆを加え、落しぶたをして大根が柔らかくなるまで煮ます。最後に砂糖を加え、大根に煮汁がしみ込むようにからめたら、茹でたいんげんを添えて完成です。

 3品目は、こちらも美味しく太った大根を使ったレシピです。冬の寒い土のなかでぎゅーっと甘みを蓄えた大根は、そのままおろしにしても甘くて美味しいのですが、ここではスペアリブと一緒にコトコト煮込むことで、中まで煮汁がしみこみ、ホクホクの食感になってもう箸が止まりません。かなりしっかりした味付けなので、ご飯にもお酒にも合う冬の煮込み料理です。

旬の時期に味わうことで、より野菜の美味しさに気づけるはず
今では技術の発達などにより、一年中いろいろな野菜を買うことができますが、本来はやはり旬な時期に食べるのが一番美味しく味わえる。そんなことを、この“季節に寄り添った料理”が人気の「のらぼう」店主・明峯さんから教わった気がします。何も手が込んだ料理だけが美味しい訳ではなく、シンプルな調理法であっても、旬の美味しさを最大限に活かしたものであればそれは間違いなく最高に美味しい料理になるはず。もう少し旬を意識した料理を心がけたくなる1冊です。

文=JUNKO

 『西荻窪「たべごと屋 のらぼう」の絶品レシピ62 野菜のごちそう 春夏秋冬』の重版を記念して、11月28日(月)に、東京・外苑前アイランドスタジオにて、著者の明峯によるセミナーが実施されます。第1部では調理デモンストレーション&トークとして、季節の野菜をおいしく味わえる料理を、著書で紹介しているもの、スピンオフレシピなどから数点デモ形式で紹介。第2部は試食&トークショーとして、第1部で作った料理を試食していただきながら、毎朝通う畑のこと、野菜のことを中心にスライドを使ったトークショーを行います。(定員に達したため応募は締切りました)イベントの詳細はこちら