【大人リアクション講座】ミスを注意されたときの大逆転フレーズ

仕事術

公開日:2016/11/30

 仕事にも日常生活にもミスは付きもの。常に100点満点を取れる人間はいません。なるべくミスをしないように気を付けるのは当然ですが、大人として大切なのは、ミスを注意されたときにどう受け止め、どうリアクションするかです。

 たとえば、上司や先輩に「この数字、違ってるよ」と指摘されたときに、露骨にムッとして「急いでたんです!」と返すのと、明るくさわやかに「ああ、すいません。そそっかしくてお恥ずかしいです」と返すのとでは大違い。与える印象や受ける評価だけでなく、自分自身の気持ちの持ち方や成長の可能性も大きく変わってきます。

 ミスを注意されるのは、ピンチではなくじつは大きなチャンス。大人の言葉力がつまったリアクションを果敢に繰り出して、一気に株を上げたりミスを自分の糧にしたりしましょう。ここでは、いつかは使いたい5つの「大逆転フレーズ」をご紹介します。

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 いつかは使いたい5つの「大逆転フレーズ」

その1 「言っていただいてありがとうございます。勉強になりました」
その2 「いただいたお言葉と今回の経験を糧にして、がんばりたいと思います」
その3 「失礼しました。すぐに原因を調べて、明日までにご報告いたします」
その4 「こちらの落ち度で、言いづらいことを言わせてしまってすいません」
その5 「なるほど、(そこに気づくのは)さすが○○さんですね。助かりました」

 それぞれ、どう大逆転できるのかを説明していきましょう。

その1 「言っていただいてありがとうございます。勉強になりました」
ミスを注意されたときに「ありがとうございます」とお礼を言うのは、大逆転の基本であり第一歩です。相手だって嫌われたり逆ギレされたりする可能性を乗り越えて、勇気を出して注意してくれているんですから、感謝を示すのは当然だし、ホッとさせてあげるもっとも効果的な反応に他なりません。「ああ、やっぱり注意してよかった」と思ってもらうことで、こちらの印象は一気にアップするし、次にミスしたときもきちんと注意してもらえます。

その2 「いただいたお言葉と今回の経験を糧にして、がんばりたいと思います」
大きなミスをして、注意というか、きっちり叱られた場面で使いたいフレーズ。ただ神妙にしているだけだと、叱っているほうは「ちゃんとわかってんのかなあ……」と不安を覚えてしまいます。丸ごと納得していなかったとしても、反論はいったん後まわしにして、まずは叱責をちゃんと受け止めていることを示しましょう。ついつい弁解がましいことを言ってしまいたくなりますが、仮にその言い分に一理あったとしても、間違いなく逆効果です。

その3 「失礼いたしました。すぐ原因を調べて、明日(○時)までにご報告いたします」
取引先から、ミスの指摘を受けた場面で。こちらに落ち度があるときはもちろん、「何となく先方の勘違い臭い」と思ったときにも使えます。素早く対応する姿勢を見せることで相手の怒りをしずめつつ、調べた結果をいつまでに知らせるかを明確にすることで、安心と「この人、ちゃんとしてるな」という印象を与えてしまいましょう。ミスの原因を調べるのは気が重い作業ですが、期限を切ることで、自分にプレッシャーをかける効果もあります。

その4 「こちらの落ち度で、言いづらいことを言わせてしまってすいません」
取引先から、とっくにされているはずの支払いがされていないといった連絡を受けたときに。受け取る側からお金の話をするのは、たとえ自分に非がなくても、ひじょうに気が引けるし勇気も必要です。メールにせよ口頭にせよ、このフレーズを返せば、「ああ、この人は私の気持ちをわかってくれている」と感激して、ミスをしたマイナスが帳消しになるだけでなく、信頼感や評価がアップするなどの“お釣り”もたっぷりもたらされるでしょう。

その5 「なるほど、(そこに気づくのは)さすが○○さんですね。助かりました」
重箱の隅をつつくようなミスの指摘や、揚げ足取りに近いアドバイスをされたときに。相手はとにかくホメられたい気持ちがふくらんでいるので、うっかり「どっちでもいいのに」という気持ちが顔に出てしまったら、ますます面倒な口出しをしてくるでしょう。こちらがウカツ過ぎて指摘してもらって本当に助かった場合も、感謝しつつこう返すことで、相手が抱いた「おいおい、しっかりしてくれよ」という呆れた気持ちを払拭することができます。

 さあ、これでいつミスをしても大丈夫。もしかしたら、「大逆転フレーズ」の効果を確かめたくて、早くミスをしてみたい気持ちになっているかもしれませんが、どうか落ち着いてください。大人の忍耐力を発揮して、気長にチャンスを待ちましょう。

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文=citrusコラムニスト 石原壮一郎