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「お客様を、三流は『待たせてはいけない人』と考え、二流は『神様』と考える、では、一流は?」JALの元CAが教える! 一流の接客の違いとは?

『接客の一流、二流、三流』(七條千恵美/明日香出版社)

「そっか、一流は『そこ』を見ているんだ!」。妙に納得して興味深く読めた一冊『接客の一流、二流、三流』(七條千恵美/明日香出版社)。

 本書は接客業における様々な場面を想定し、「三流はこの程度。二流はここまではする。では、一流はどうしている?」と、三つのレベルを明らかにすることで、接客に関する「大切なこと」を教えてくれている。

 例えば、「マニュアルのとり扱い」について。

「三流は、マニュアルさえも『あやふや』、二流はマニュアルに『固執』し、一流は、何をする?」とのこと。すぐには答えをくれないので、自分なりに考えてみる。今でこそライターというほぼ引きこもりのデスクワークをしているが、学生時代~20代前半は「接客業」に従事していた身にとって、本書の構成は「クイズ」のように楽しめた。

 答えは「マニュアルの行間を読む」。

 一流はマニュアルに沿って行動するのではなく、「このマニュアルがどういう意図があって作られたのか?」を考えるそうだ。例えば、お客様の顔を見ないで口にする「いらっしゃいませ」や「ありがとうございました」は、「何のために言うのか?」という視点が抜け落ちた挨拶。これはただの「音」でしかない。マニュアルはあくまで、一定基準のサービス品質を保つため。時と場合によっては、臨機応変さも必要だ。

 また、接客業で大切なのが「身だしなみ」。髪型、爪の長さ、制服の着方。厳しくチェックされた覚えのある方もいるのではないだろうか。そこで、三流は「やらされて」いて、二流は「みずから」整え、一流は……なんだろうか?

 身だしなみは「お客様にどのような印象を与えているか?」という視点を持つことが大切。だからと言って、「上司に注意されない程度に、お客様に不快に思われないぐらいに」と思っているうちは二流止まりだ。

 一流は「こだわる」のだそう。髪の毛の一本、服のシワ一つ、靴のちょっとした汚れにまで気を払う。その「こだわる」姿勢が、仕事への誠実さ、プロとしての在り方を醸し出しているのだという。

 接客業をやっている上で、避けて通れないのが「クレーム対応」だろう。

 三流は「申し訳ございません」と繰り返し、二流は「おっしゃる通り」と相槌を打ち、一流は、「『何に対してのお怒りか』を見極めてお詫びをする」のだ。現状を改善してほしいというクレームも当然存在するが、「不愉快だった気持ちを理解してほしい」という共感を求める場合もある。お客様がどうしてクレームを口にしているのか、しっかりと見極めることが大切なのだ。

 さらにお客様同士のトラブルについて。三流は「無関心」、二流はどちらが正しいかを「ジャッジ」、一流は「基本的には中立」を保つ。クレームとあわせ、ピンチな場面の対処法として覚えておくと損はないだろう。

 最後に、タイトルの「答え合わせ」をしよう。

 よく「お客様は神様」という言葉を聞くが、それは二流の考え方らしい。

 三流は、「お客様を待たせたくない」「怒らせたくない」という自己保身のことばかり考えている。一方、二流は、お客様のその時々の気持ちに関係なく、「最高の接客と感動を!」と熱い想いをぶつけてしまう。それは「押しつけがましい自己満足なサービス」になってしまう。

 一流は、安易な自己保身や自己満足の接客に終始することなく、目の前にいるお客様が何を望んでいるのかということを、常に追いかけているのだ。となると、お客様のことは、どう思えばいいのか、お分かりになっただろうか?

 一流は、お客様を「大切な家族」だったら? と考えているのだ。

 本書は三流、二流、一流、それぞれのやり方を紹介し、自分が「どの段階にいるのか」を明らかにさせながら、一流へと導いてくれる一冊。「あなたでよかった」と言われたい接客スタッフには、ぜひともご一読いただきたい。

文=雨野裾



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