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まさかハーレム展開とは予想もしてなかった! オタクサークルを描いた漫画『げんしけん』がついに大団円


『げんしけん 二代目の十二(21)』(木尾士目/講談社)

 私は自分を「オタク」だと自覚しているが、大学時代は「歴史研究部」に所属していた。オタク向けのサークルがなかったこともあるが、歴史も大好きだったからだ。まあ近年『艦隊これくしょん -艦これ-』や『刀剣乱舞』など、歴史的要素を含んだオタク向けコンテンツが流行っていることから、親和性は高いのだろう。とはいえ、生粋のオタクサークルへの未練というか、憧れみたいなものはいまだに残っている。『げんしけん』という漫画を読んでいたことが原因なのだが、その作品も『げんしけん 二代目の十二(21)』(木尾士目/講談社)で、いよいよ完結を迎えることに。

 タイトルの『げんしけん』とは、作品の舞台である大学のサークル「現代視覚文化研究会」の略称である。2002年から連載が始まり、2006年に一旦は終了するが、2010年から『げんしけん二代目』として再開した。アニメ化も果たし、作中作『くじびきアンバランス』までアニメになるなど熱烈な人気を得た作品だ。

 先に述べた通り「現代視覚文化研究会」はオタクサークルで、漫画やアニメ、コスプレなどサブカルチャー全般を扱う。「第一部」では、笹原完士が大学に入学するところから物語は始まる。一応は笹原を中心にしているが、斑目晴信や高坂真琴など「げんしけん」会員たちそれぞれの人間模様が描かれる、いわゆる群像劇のスタイル。高坂に恋する春日部咲が、本懐遂げて高坂と付き合うことになったり、そんな春日部を斑目が好きになってしまったりと、会員たちの恋愛模様が結構な頻度で登場する。そう、実は『げんしけん』とはオタクの生態をさらすだけの作品ではなく、恋愛モノでもあったのだ。

 実際に第一部でも高坂らのほか、「げんしけん」内の多くがカップル成立している。むしろオタクの日常を描くというよりは、男女の恋愛事情にオタク要素を絡めているといったほうが正しいかもしれない。その傾向は『げんしけん二代目』に入って、より顕著となっていく。

 先に「第一部」は群像劇だと述べたが、「第二部」たる『二代目』の主人公は斑目といっていいだろう。春日部への想いを抱えたまま卒業した斑目は、その後も「げんしけん」に顔を出していた。そこで新たな会員たちと交流していくことになるのだが、その過程で驚くべき状況が発生。なんと斑目を中心とした「斑目ハーレム」が形成されていったのである! そのお相手というのが、まず留学生で金髪ロリータ体型の美少女スザンナ・ホプキンス。次に帰国子女である「げんしけん」会員・大野加奈子の友人で、海外在住のアンジェラ・バートン。そして女装をするとヘタな女子より可愛い「男の娘」である波戸賢二郎。さらに笹原の妹で、キャバ嬢の笹原恵子の4人である。

 物語終盤は、斑目がこの中から誰を選ぶのかを中心に展開。そのため最終巻の前では会員たちがデートイベントを設定してその後押しをするなど、ホントの意味で恋愛漫画となっている。「第一部」からの斑目を見てきたファンには「まさか」の展開だが、この作品を「ラブコメ」として考えるなら、これも予想しうる流れなのかもしれない。ただ今回、実は斑目が誰を選んだかは問題ではなかった。彼が「第一部」から引きずっていた春日部への想いを、自身の「お相手」を決めることで振り切ることが重要だったのだ。まさに完結にふさわしいラストエピソードといえよう。

 まあ漫画であり、こんな展開はそうそうあるものではないのだが、それでも私自身の裡にある「憧れ」の要因はこうした「恋愛要素」にあったのかもしれない。なにせ自身の「歴史研究部」時代の思い出といえば、酔った挙句に後輩の女子に膝枕をさせてしまい、部の皆から怒られたという不名誉な出来事が筆頭なのである。誰がいったか、世の中そんなに甘くない……!

文=木谷誠



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