新たなる『カードキャプターさくら』旋風が巻き起こる!! さくらの新しい物語はどうなる!?

マンガ

公開日:2017/1/19


『カードキャプターさくらクリアカード編1』(CLAMP/講談社)

 世に「オタク」を名乗る者で、おそらく「CLAMP」の名を知らぬ者はおるまい。「CLAMP」とは『魔法騎士レイアース』や『CLAMP学園探偵団』など多くの人気漫画を生み出した、4人の女性作家集団である。「CLAMP作品の中で一番好きなものは何か?」と問われれば、それこそ人により千差万別だろうが、私は『カードキャプターさくら』(以後、『CCさくら』)を挙げる。

 理由は簡単。ドハマリしたからである。1996年に少女漫画誌『なかよし』で連載が始まるや瞬く間にヒットし、1998年にはTVアニメの放送もスタート。通常放送に加え劇場アニメ2作品が公開されるなど、こちらも好評を博した。ちなみに私がどのくらい「ドハマリ」していたかといえば、原作全巻はもちろん、原作のイラストコレクションやトレーディングカード、果ては占い用に作られた「クロウカード」など全部購入。アニメ版でもアニメ版のイラストコレクションやTVアニメ・劇場版のコンプリートブック、さらにはプレイステーション用に作られたゲームやパソコン用のデスクトップアクセサリーまで手を出している。まあ若気の至りというか、自分でも呆れるほどの浮かされっぷりだ。

 そんな思い入れの強い作品なのだが、誕生から20周年の2016年、驚くべきことが起こった。なんと『なかよし』で続編となる新作漫画の連載が始まったのである。そしてついに、それが『カードキャプターさくらクリアカード編1』(CLAMP/講談社)として一冊のコミックにまとまった。

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 ここでストーリーのおさらいをしておくと、前作の前半部「クロウカード編」では魔術師クロウ・リードの作った「クロウカード」が引き起こす騒動を、クロウの血を引く主人公の木之本桜(以後、「さくら」)が解決していく姿を描く。後半部の「さくらカード編」では、クロウの魔力で作られたクロウカードをさくらの魔力による「さくらカード」に変化させていく過程を描いた。

 そして新作「クリアカード編」では、さくらの持つカードが突然、すべて透明なカードに変わってしまう。同時に奇妙な事件が再び彼女の周りで発生。それを解決するため、さくらは「カードキャプター」として立ち上がるのだ。

 続編にもいろいろ種類がある。世界観だけを受け継ぎ、キャラクターは一新されるケースもあれば、時系列はそのまま前作のキャラクターが活躍するパターンもあるだろう。ではこの「クリアカード編」がどれに属するかといえば、後者の「前作のキャラクターが活躍するパターン」だ。

 そう、忘れもしない『CCさくら』最終12巻、さくらと李小狼(リ・シャオラン)が抱き合いながら「これからはずっといっしょだよ!」といって終劇となるのだが、新作はまさにこのあたりのシーンから始まるのだ。前作の最終巻ではさくらの頭のハネ毛がなくなっていたり、若干大人びた感じに描かれていたが、新作では元に戻されている。おそらくあの感じで描くと前作とテイストが変わってしまうと考えての対応ではなかろうか。

 ちなみにこの「クリアカード編」だが、すでに2018年からのアニメ放送も決定している。しかもスタッフ、キャスト共に当時のままというから、往年のファンも大興奮だ。劇場版製作の可能性も含めて、2018年最大の注目作となるのは必至だろう。

 そういえば前作の連載当時、いい年をしたオッサンが少女向け雑誌『なかよし』を購入する姿があちこちで目撃されたという話を聞くが、『CCさくら』には確かにそれだけの魅力があった。私とて『なかよし』は購入しなかったものの、ドハマリしたことは先に述べた通りである。だからこそ気になるのだ。あの頃『なかよし』を買っていたオタクたちは、今また買い始めているのか、と。そして私自身、アニメが始まって平静でいられるのかどうか、非常に先が思いやられるのである。

文=木谷誠