書店員が選ぶ ハンディな新選組本10冊

更新日:2012/5/21

 「本」を知り尽くした「ソムリエ」があなたにぴったりの一冊を選ぶこのコーナー。今月は、ジュンク堂書店盛岡店の岩橋淳さんが、「原点回帰! ハンディな新選組本10冊」をピックアップしました。

■『燃えよ剣』(上・下) 司馬遼太郎(新潮文庫) 
徹底した取材と独自の史観で読ませる、新選組<幕末<歴史小説の金字塔。「漢の典型」に、人生を学ぶ。

■『新選組始末記』 子母澤 寛(中公文庫)
新選組を語るには欠かせない、第一のテキスト。綿密な取材と大胆な推論によって構築された、新選組像の基本形。

■『新選組遺聞』 子母澤 寛(中公文庫)
『始末記』の取材源となった京都・壬生村の古老や元隊士、関係者の声を綴った証言集。史実と虚構の橋渡しとなる一冊。

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■『土方歳三日記』(上・下) 菊地 明 (ちくま学芸文庫)
同時代の史料を駆使して、副長・土方歳三の生涯を浮き彫りにする画期的試み。土方の生きた時代が、説得力をもって甦る。

■『新選組日記』 木村幸比古/編著・訳 (PHP新書)
大幹部・永倉新八の肉声『浪士文久報国記事』、結成から瓦解までを見届けた古参隊士の手記『島田魁日記』の解読書。

■『新選組』 松浦 玲(岩波新書)
「キャラ立ち」では土方に引き離された近藤勇だが、彼の遺した書簡から、その身の丈の視線で時代を眺める試みが斬新。

■『新撰組顚末記』 永倉新八 (新人物往来社 新人物文庫)
永倉新八、泣く子も黙る二番組長。くぐり抜けた数々の修羅場が甦る貴重な聞き書きであり、一級史料でもある。

■『新選組全隊士徹底ガイド』 前田政記(河出文庫)
総計400余名、あまたの史料から拾い集めた有名無名の新選組隊士について、収めうる限りの情報を凝縮した労作。

■『新選組の新常識』 菊地 明(集英社新書)
新選組3点セットとも言うべき「ダンダラ羽織」「誠の旗」「局中法度」を始めとする定説・俗説を、同時代史料から検証する。

■『新選組』 黒鉄ヒロシ(PHP文庫)膨大な史料を咀嚼しつつ、戯画として新選組を描ききった傑作。シリアス、かつユーモラスに、男たちは右往左往する。

(ダ・ヴィンチ2月号 本屋さんの時間より)