1秒で相手を思いのままに! 顧客も上司もあなたの言いなりになる「3つのテクニック」とは?

仕事術

公開日:2017/2/20

 仕事をしていると、どうしても避けて通れないのが気の合わない上司や手強い顧客との付き合い。できれば無縁でいたいものだが、そこは宮仕えの悲しい身。なんとかお付き合いしているという方がほとんどだろう。

 でも、どうせ付き合わざるを得ないのなら、こちらから積極的に働きかけて相手を自分の都合の良いように動かしてみるのはいかがだろうか。今回はそんな時に使える3つのテクニックを、『コミックでわかる相手の脳を支配するヤバ過ぎ心理術』からご紹介しよう。

自分の意図する方へ相手を誘導する「誤前提暗示」

 たとえば靴売り場で「今の御召し物に合わせるなら、こちらの茶色か黒の靴がお似合いですよ」などと言われたことはないだろうか。ここでもし「茶色の靴はいかがですか」と薦められたら、その答えとしては「買う」「買わない」の二択が自然だ。ところが、「茶か黒か」と聞かれた場合、その答えは「茶色」か「黒」かの二択に自然となる。この時、いずれを選んでも買うことが前提となっている点がキモだ。

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 質問を受けている側からすれば「別の店で買う」「そもそも買わない」という選択肢もあるはずなのに、人によってはいきなりこうした二択を提示されると、茶色の靴を買うか、黒の靴を買うかを無意識に選ぶ思考に陥ってしまうことがあるのだ。

 このテクニックの恐ろしいところは、二択のどちらかを選ぶという行為により、質問を受けている側に、主体的に決定している感覚を持たせながら、その実、どちらを選んでも質問者の思い通りになるように動かされてしまっている点である。

 本当にそんなうまくいくのかと思われる方もいるだろう。実はこれ、かの悪名高きヒトラーも用いていたテクニック。「戦うのか、戦わずに逃げるのか」――ヒトラーはこのような極端な二択を人々に投げかけ、それ以外の選択肢はないかのように迫った。その後の歴史を見れば、このテクニックの効果がわかっていただけると思う。

他人に対し、自分を味方であると思い込ませる「バーナム効果」

「あなたは時折、自分に対してとても悲観的になることがありますね」
「あなたは仕事で悩みを抱えているでしょう。それはおそらく、人間関係にも絡んでくることですよね?」

 これらの文章は誰にでも当てはまる内容である。しかし実際の会話のなかで話されると気づかないもので、「どうしてわかったの!?」などと思ってしまう人は意外なほどに多い。

 これはアメリカの心理学者による実験でも証明されている。複数の被験者に「あなただけの心理検査結果です」と性格を表す文書を渡したところ、ほとんどの人が「当たっている」とコメントした。実は渡された文書は全員同じもの。しかも、星占いの結果をいくつか組み合わせて作った、デタラメの性格分析だったのだ。

 このように、誰にでも当てはまることを「あなたは○○だけど、本当は××だよね」と指摘することで、「この人は本当の自分をわかっている」と、錯覚してしまう。誰しも自分のことを分かってくれると感じた人を無条件で「味方」とみなすので、あとは向こうが勝手に信頼感を抱いてくれるというわけだ。

 このテクニックを使うなら、普段のイメージとは真逆のことを指摘するのがより効果的。豪快な人には繊細な感受性を、明るい人には悲観的な一面を指摘しよう。相手はいつの間にかあなたを理解者と思い込み、味方扱いしてくれる。

難しい願い事を叶えるための「ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック」

 方法としては実に簡単。まずは本当の願い事よりもハードルが高い要求を相手にぶつける。当然ながら断られるだろうが、ここからが本番だ。先ほどより一段ハードルが低い本来の願い事をしてみよう。

 たとえば、どうしても友達に20万円借りなければならない状況になったとする。ポンと貸すほど小さな額ではないし、ストレートに頼んでも断られる可能性は高い。そこでまずは「100万円貸してほしい」と依頼する。当然ながら断られるだろうが、そこで諦めず「じゃあ50万円、それも無理なら、せめて20万円でいいから……」と、ハードルを下げながら頼み込むのである。

 このテクニックが有効なのは、相手の心の中に「返報性の原理」という心理作用が働くためだ。今回のように100万円から50万円、20万円へと下げていくのは依頼者の勝手な都合によるものだが、相手からみると「譲歩される」ことになる。すると罪悪感が発生し、「こちらも折れなければ」と思い始めてしまうのだ。

 何かをしてもらったらお礼をするもの、こうした考え方が社会通念として浸透しているがゆえ、このような心理が呼び起こされる。結果として、「20万円なら貸すよ」という答えを導き出すことができるというわけだ。

 ちなみに、ハードルを下げた本当の願い事をするのは無理難題の直後というのがセオリー。時間を空けると断られやすくなるので注意しよう。