「かわいがられる」人は何をしているのか?

暮らし

公開日:2017/3/15

『ちょっとしたことで「かわいがられる」人』(山崎武也/三笠書房)

 無理なお願いをされた時でも、「この人のためなら頑張ろう」と思わせてくれる人がいる。日頃からお世話になっている人だったり、好感を抱いている人だったり、相手によって理由は様々。では、具体的には、何が人の好感度を上げるのだろうか? 

『ちょっとしたことで「かわいがられる」人』(山崎武也/三笠書房)では、好感度が高く「かわいがられる」人の特徴を、大きく5つのカテゴリーに分けて解説。著者の経験したエピソードを交えつつ、鋭い視点で分析している。

「この気配りができる人—人を喜ばせる20項」より

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■「送っていきましょう」といえる人

 集まりの帰りに、車で来ていない人に対して送ろうという申し出をする時の言い方は2つ。「送っていきましょう」「送っていきましょうか」だ。ほんの少し言い方が違うだけだが、受ける印象は変わってくる。著者は、「送っていきましょう」と言ってくれる人には、即座に「お願いします」と言うことができると指摘。疑問形になると、お願いしていいのか悩んでしまうそうだ。相手との関係にもよるが、何かを申し出る時には、まずは「~しましょう」と言ってみてもいいかもしれない。

■即座に相手の名前をいえる人

 この見出しを見た瞬間、ドキッとした人もいるのではないだろうか? 一度会ったことのある相手で、顔は覚えているのに名前が分からず、会話中に必死に思い出そうとする、なんていうこともあるかもしれない。新しい職場で働き始める時などは、周りの人の名前を覚えるのに必死になることもあるだろう。逆に、会ったばかりの人が、すぐに自分の名前を覚えてくれると嬉しい気持ちになる。それだけ、名前を呼ぶということは大切なのだ。本書では、「人の名前を覚えて、その名前をいってから話しかけるのは、相手に自分を認めてもらい、自分の名前も覚えてもらう第一歩」だと分析されている。相手の名前をきちんと呼ぶことを、これまで以上に心がけたいと思うような指摘だった。

「こんな態度を見せる人—かわいがられる人になる20項目」より

■「誰かが」ではなく「自分が」動く人

 何人かで行動すると「誰かがやってくれるだろう」という心理が働くことが多い。著者によれば、それが顕著に表れるのは「皆でエレベーターに乗る時」。エレベーターが来ないと思っていたら、実は誰もボタンを押していなかったというシチュエーションだ。こんな時に、誰よりも率先して行動できる人は、常に人のことを考えることが習慣になっている人だと指摘されている。確かに、いつも率先して動いてくれる人に出会うと、見ていて気持ちがいいものだ。日頃から少しずつ心がけていけば、やがて習慣にできるかもしれない。

■「ちょっと待って」といわない人

 忙しい時に話しかけられ、即座に「ちょっと待ってください」と言ってしまったことは、ないだろうか? 思い当たる方は、この項目が参考になるかもしれない。著者は、「ちょっと待ってください」と言ってしまう理由を、自分にとって重要なことを終えるのが先決だと考えているからであると分析。しかし、声をかけてきた人の用件が極めて重要である可能性もあるため、「まず、「はい」といって用件を聞いてみる」ことを推奨している。自分から話しかけた時にも、用件を聞く前に「待って」と言われるのと、(結果的には待つことになっても)まずは聞いてもらえるのでは、印象が大きく違う。忙しい時でも、相手への配慮は忘れないようにしたいものだ。

 本書では、カテゴリーごとに20項目の特徴が挙げられており、仕事やプライベートで遭遇したことのあるような場面が盛り込まれている。改めて気付かされることも多く、人との接し方において非常に参考になる一冊だ。春になると新しいことを始めたくなる方も多いと思うが、本書を参考にして、今まで以上に「かわいがられる」人を目指すというのは、どうだろうか?

文=松澤友子