CMから映画まで“宇宙が花盛り”な理由

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更新日:2013/6/17

 某通信会社のCMでは犬が宇宙飛行士スタイルで登場して好評を博しているが、これはもちろん世間が宇宙への関心を高めていることを前提として製作されたものだ。茶の間の皆さんが宇宙を題材にしたCMを見て笑っている時代なのだ。

 下支えしているのは、たとえば小惑星探査機『はやぶさ』の感動的な帰還だったりするのだろう。2003年5月、宇宙科学研究所(当時)が打ち上げた『はやぶさ』は太陽系の小惑星『イトカワ』に着陸。表面からサンプルを採集し、幾多のトラブルを乗り越えて約60億キロの長旅を終え、大気圏に突入。サンプルを封印したカプセルをパラシュートで地球に落とすと、自身は大気中で燃え尽きたのだ。その最後の瞬間を、大勢が映像で目撃した。世界で初めて地球の重力圏外に降り立ち、サンプルを持ち帰った功績もさることながら、プロジェクトに関わった人たちと探査機が織りなすドラマ、日本の科学技術が実を結んだことなどに心を打たれた人が多かったと思う。

 『はやぶさ』をめぐる物語は映画化もされた。アニメから実写版まで4本も作ってどうするって話もあるが、映像クリエイターが黙ってられない偉業だったのは間違いない。
 マンガ界も負けてない。『週刊モーニング』(講談社)で連載中の『宇宙兄弟』が実写版で製作され、春には公開されるという。
宇宙旅行も年内には始まると予測され、大震災以降の暗いムードを吹き飛ばす意味もあって、宇宙への期待と憧れは強まっていると考えられる。
 
(ダ・ヴィンチ3月号 「走れ! トロイカ学習帳」より)