早くもハガレン超え!? 新作『銀の匙』が累計100万部突破!

マンガ

更新日:2012/3/1

 「次にくるマンガランキング」第2位を獲得した、荒川弘さんの『銀の匙 Silver Spoon』(小学館)。既刊2巻で早くも累計100万部を突破し、「マンガ大賞2012」にもノミネート。前作『鋼の錬金術師』を上回る大ブレイクの予感さえある。

  『銀の匙 Silver Spoon』の舞台は農業高校。荒川さん自身も、実家は北海道で酪農と畑作を営み、それを手伝いながら農業高校に通っていた。連載にあたっては、取材を重ねたという。

 「母校に行きましたが、私が在籍していた20年前と比べて、バイオテクノロジー研究とかハイテクな授業になっていてびっくり」

  『銀の匙 Silver Spoon』は、主人公・八軒の成長物語だ。八軒はハードな学校生活に四苦八苦しつつも、家畜と生きる難しさと喜びを発見し、一歩ずつ前に進む。連載誌『週刊少年サンデー』の読者は、中高生が中心。荒川さんは、彼らの多くが自分の将来や進路について悩んでいるのを知り、それも連載を始める後押しになったという。

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 「酪農では、生き物が食料になる課程や方法、その理不尽さを知識として学べます。逆に、生き物の秘めたポテンシャルに気付けたりもします。」

 八軒は、農場実習で出会った子豚に“豚丼”と名付けて感情移入してしまう。しかし子豚は、3カ月後にはベーコンになる運命。『銀の匙』には、わざとらしい感動やいい加減な道徳観は皆無だ。人が家畜の生死を左右する、“死生観”の難しさがリアルに描かれている。

  「“死生観”は感覚としてはあるのですが、言葉にしようとしてもできない問題です。何とか言語化しようと、私も八軒とともに毎回もやもや悶々と考えています。連載が終わる頃には、自分でも一つ答えが出せればいいなと思っています。今のところ、思考の行き着く先は『やっぱり肉うめー』にしかなっていないという……」

 最後に、2巻の見所と今後の展開は?

「2巻の見所は“ピザ”です! そして、“豚丼”の行方は? 『週刊少年サンデー』の連載では、エゾノーの秋編に突入します。あらゆることで八軒が右往左往しますので、お楽しみに!」

(ダ・ヴィンチ3月号 次にくるマンガランキングより)