ライトノベルの知られざる歴史

マンガ

更新日:2014/2/10

 ダ・ヴィンチ4月号の「走れ! トロイカ学習帳」では、現在活字分野で非常に好調のライトノベルのスポットを当てている。企画内ではライトノベルの歴史について紹介。北尾トロ氏が取材を行った。

 1993年に創刊され、業界ナンバーワンをひた走る電撃文庫の三木一馬副編集長はラノベを手がけること11年のベテランだ。『このライトノベルがすごい!2012』第1位に輝いた『ソードアート・オンライン』などの人気シリーズを担当。年間40冊以上をコンスタントに送り出す。現在のライトノベルの好調ぶりについてお話を伺った。

 「電撃文庫にかぎれば15年以上連続で前年比超えしています。電撃小説大賞の応募総数は5300作以上もあって読むだけで大仕事。売れっ子作家には、年間10冊以上書く人がいますね」  

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人気シリーズともなると新作は初版数十万部を突破。一般書ならベストセラーと騒がれそうな作品がいくつもある。以前からそうだったのだろうか。
「ラノベと呼ばれる前から、角川スニーカー文庫さんやファンタジア文庫さんの人気作はそうでした」  

 もともとは一部マニアが熱く支持する若年層向きファンタジー小説だったが、中高生を主役に立て、PCゲームや美少女ゲームのイラストタッチを使った表紙が登場した90年代終わり頃からブーム化。次第にレーベルも増え、新ジャンルとして認知されてきた。電撃文庫は現在、月に14~18タイトル出しているということだ。急速なメジャー化は刊行点数の増加につながり、一気に玉石混淆気味に。順調に増えたファンが、新作の多さについていけない状態になりかけている。

 「戦国時代ですね。でも、ぼくとしては大歓迎です。電撃文庫はおもしろければ何でもあり。いろんな会社さんが参入すれば全体のレベルもアップしますから。いまはブームのような風潮がありますが、それとは関係無くこれからもどんどん伸びていくのでは、と個人的には考えています」  

(ダ・ヴィンチ4月号 「走れ! トロイカ学習帳」より 取材・文=北尾トロ