高島彩、夫は「人生で初めて自分の弱さを声に出して伝えられる人」

芸能

更新日:2012/5/25

 フリーアナウンサー・高島彩さんが、女性月刊誌『GINGER』で連載しているエッセイを、その初回から最新作(2009年6月号~12年2月号)まで一冊にまとめたエッセイ集『irodori』を上梓。

 この本の前半は、彼女がまだフジテレビの社員アナウンサーで、毎日深夜2時半に起きて『めざましテレビ』のMCを務めていた時代に書かれたもの。普通の人ならなんてことのない仕事仲間との“もう一杯”も、恋人との真夜中の大喧嘩も、夜中に悲しいドラマや映画を観て大泣きすることも封印して、毎日、変わらぬ笑顔でテレビカメラの前に立ち続ける。

 そんな心身ともにハードな日々の中で、彼女がどうやって自分を励まし、奮い立たせてきたか。たとえば、〈仕事と家の往復だけという日々が続くと、とにかく東京を脱出して、体の中の空気を全部入れ替えたくなる〉とひとり旅に出てみたり、ファッションやエステやネイルで少しでも自分の気持ちをアップさせるようにしてみたり─。

 その姿はきっと、仕事は好きだけど頑張り過ぎてどこかで消耗してしまっている女性たちにとっては、我がことのように共感できるにちがいない。だからこの本には、特に働く女子にとって勇気づけられる言葉や心身を癒す具体的な方法のヒントもたくさんちりばめられているのである。  そんなふうに頑張る女子の実感と熱いエールがこもったこのエッセイは、連載スタート直後から思わぬ反響ももらったのだという。

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  「『めざまし─』をやっていたときはやはり主婦の方やサラリーマンの方から声を掛けていだたくことが多かったのですが、この連載を始めてから同年代の女性や芸能人の方からも、現場で会うと“『GINGER』読んでますよ”と言ってくださる人がすごく増えて。

 たとえば、はるな愛さんとエレベーターで偶然ご一緒させていただいたときも、“あ、働く女子! わかるわかる!”という言葉をかけていただいたり(笑)。それはもちろん本当に嬉しいんですけれど一方で最初はちょっと恥ずかしくもあったんです。なんとなくテレビの画面の中にいる自分は“見せていい自分”で、文章のほうは“見られたくない部分の自分”を書いているものという感覚があって……。

 だから、“読んでますよ”とテレビの現場で言われると、あ、この人はアナウンサーをしている部分じゃないところの私まで知ってるんだと、けっこう複雑な気持ちになっていました(笑)」。
 ずっと頑張っているだけでは読んでいてもちょっと心配になるけれど、そんな彼女が“人生で初めて自分の弱さを声に出して伝えられる人”に巡り合い、そして結婚するという、ハッピーエンドで終わる本書。

 今、サラリーマン時代の10年間で培った強さで、人生の新たなステージに向かって明るくたくましく“腕を鳴らす”彼女の姿は、特に働く女子にとっては明日も頑張ろうという勇気や希望も与えてくれる。

(ダ・ヴィンチ4月号 「『irodori』高島彩」より 取材・文=藤原理加)