少女マンガの“ファッション3次元化”が流行

マンガ

更新日:2012/4/17

 最近、少女マンガのファッションを3次元化する企画が目立つ。それも「コスプレ」ではなく、普段着にマンガの要素を取り入れるものだ。

 例えば、雑誌『spoon.』の『ハチミツとクローバー』や『海月姫』に出てくる服を、既製品でスタイリングする企画も人気を博しているし、筆者も「Kyoto MaGiC」という少女マンガの服を日常着として再現するプロジェクトに関わっている。  

 こうした企画の主なターゲットは、マンガ雑誌が一番売れた90年代読者、我らがアラサー世代だ。マンガの影響が強いからこそ、マンガと現実のファッションの融合にも抵抗がない。

 『まんがファッション』(竹村真奈/著者、パイインターナショナル/発行元)も、そうした動きを読んで刊行された一冊だ。一条ゆかり、安野モヨコなど7名の作家が、マンガのファッションについて語り下ろすものだ。なかでも、各人が共通して伝える「ファッションがキャラクターの生きてきた人生そのものをあらわす」という点が非常に興味深い。  
 
 少女マンガのファッションが改めて注目されるのも、様々な岐路に立たされることが多いだろうアラサー世代がマンガのファッションを取りこむことで、憧れの主人公の人生をも取り込もうとしているからかもしれない。

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文=倉持佳代子

(ダ・ヴィンチ5月号 「出版ニュースクリップ」より)