独特な感性がクセになるアニメと音楽の幸せなコラボ。植草航さんの本棚

更新日:2012/6/25

植草航さん

<植草航>
アニメーション作家

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東京工芸大学芸術学部アニメーション専攻卒
短編アニメーション「向ヶ丘千里はただ見つめていたのだった」が「第1回下北沢映画祭」でグランプリを受賞し、
「やさしいマーチ」で第15回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門新人賞を受賞。
代表作「やさしいマーチ」「向が丘千里はただ見つめていたのだった」

インタビュー

――音楽との親和性を深める部分に重点をおいた作品を作りたい
◆クリエイターになったきっかけ、動画制作するようになったきっかけは?
幼少期に兄が描いていた絵に影響をされて自分も当時人並みに絵は描いていたのですが、具体的に描きはじめた時期としては中学の頃にデジモン、ポケモン、怪獣映画の怪獣などのモンスターをマネして描きはじめたのが最初でした。色々な小さなきっかけが積み重なって現在に至っているので、決定的なきっかけはこれ、と断定はできないのですが、自分の中での大きかった出来事はネットでの『お絵描き掲示板』を使って自由に作品を発表できる空間があった事がかなり大きな出来事でした。
◆創作活動の中で、心がけていること、大切にしていることは?
何度でも見たくなるような映像を作る事です。現段階では映像の展開の構成やリズムの取り方などを意識しています。
◆尊敬しているクリエイター、影響を受けたクリエイターは?
湯浅政明/森本晃司/クリハラタカシ
数えきれないほど尊敬する方はいるのですが、個人に特定するのは難しいです。
◆今、夢中になっているもの、気になっているものは?
最近、芋虫の図鑑を衝動買いをしてずっと眺めています。それと淡々とゲームをやっている時が楽しいです。
◆これからの夢や目標は?
これまでの心を忘れずにしっかり生きて行く事。自分に正直でいる事。 音楽との親和性を深める部分に重点をおいた作品を作りたい。もっと楽しいと思う事を見つける。
◆植草航さんの作品は「向ケ丘千里はただ見つめていただけだった」をはじめ、映像と音楽の組み合わせがとても特徴的で、キャラの動きなど躍動感あふれる作品が多いと認識しておりますが、作品のアイデアはどのようにして生み出しているのでしょうか?作品制作に至る経緯などを含めて教えてください。
>作品制作の経緯
高校の頃、自分の描いたキャラクターに動きを付けてみたいという欲求からアニメーションの大学への進学を決意しアニメーションを作りはじめたのですが、アニメーションを作り始めてから「この表現で他にも違う自分の好きな物と深く結びついた作品が作れるのではないか」と考えました。そしてアニメーションの中にある時間軸に音楽のテンポや曲の構成を乗せたい。と結論を出した事が音楽と映像に関わる作品を作るきっかけでした。

>アイディア
音が無いと不安なので常にどこかで音を流しっぱなしにしています。 そんな最中ぼーっとしていたり移動中の時などに音楽を聴きながら物の流れなどを考えていたりして、それがどこまで応用性のある物なのかは分からないのですが、そういう事をストックしていたりします。そんな時が楽しいです。

やさしいマーチ
代表作:『やさしいマーチ』
人気バンド相対性理論の曲「ミス・パラレルワールド」に映像を組み合わせたアニメーション作品。映像には実に様々な怪獣が姿を見せ、街を破壊したり、少女の周囲を闊歩したりと非常にユーモラス。スピード感あふれるアニメーションならではの動きと楽曲のリズムがマッチしており、何度も見直してしまいたくなる。第15回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門新人賞受賞作品。