6月は世界環境月間! 科学の世界を身近に感じる本ランキング

科学

公開日:2012/6/9

 5月の金環日食に続き、6月4日には部分月食、6日には金星の太陽面通過と、珍しい天体ショーが目白押しの今日この頃。実は6月5日は環境の日で、6月は世界環境月間ってこと、ご存知でしたか?
 そこで今回は、日本科学未来館で科学コミュニケーターとしてご活躍の理学博士・松山桃世さんに、“科学の世界を身近に感じる本”を紹介してもらいました。

 
■1位 『私たちは進化できるのか 凶暴な遺伝子を超えて』長沼 毅 廣済堂新書
辺境に住む生物を研究する科学者・長沼毅が、命のたくましさや生命の本質について語る一冊。やがて地球に訪れる氷期や、人類が次なる進化をいかに遂げるべきかが論じられる。

■2位 『ニワトリ 愛を独り占めにした鳥』遠藤秀紀 光文社新書
われわれの食に欠かせないニワトリがいかに生まれ、生き、死んでいくのかを、動物の遺体から進化の謎を探る遺体科学者が徹底調査。ニワトリと人間の謎多き関係に迫っていく。

advertisement

■3位 『グリーン・レクイエム/緑幻想』』 新井素子 東京創元社創元SF文庫
植物学者志望の信彦と、植物と感応できる明日香の逃避行を描く、星雲賞受賞のSF小説。「グリーン・レクイエム」の続編となる「緑幻想」では、物語は地球規模のスケールに。

■4位 『地球の内部で何が起こっているのか?』平 朝彦、徐 垣、末廣 潔、木下 肇 光文社新書
巨大地震の原因や、大陸移動説の根拠などが語られる地球科学のガイド本。選者の松山さんは「人間の好奇心や、小さな現象から多くの情報を引き出す科学者に感動する」と絶賛。

■5位 『わたしを離さないで』カズオ・イシグロ/著 土屋政雄/訳 ハヤカワepi文庫
ブッカー賞受賞作家、カズオ・イシグロによる2006年発表の小説。提供者と呼ばれる人々の世話をするキャシー・Hの毎日が描かれ、ある科学技術を軸に、衝撃の物語が展開される。

■6位 『「大発見」の思考法 iPS細胞vs.素粒子』益川敏英、山中伸弥 文春新書
ノーベル賞を受賞した物理学者・益川敏英と、iPS細胞の生みの親・山中伸弥の対談をまとめた一冊。先端科学の情報に加え、科学を楽しみ面白がっている二人の様子がわかる。

■7位 『風の谷のナウシカ(全7巻)』 宮崎 駿 徳間書店アニメージュCワイド判
文明が滅び、生態系に異変が起きた世界が舞台のSFファンタジー。人類の進むべき道を探究する主人公・ナウシカの活躍が描かれる。アニメ版とは異なる、マンガ版の結末は必見。

■8位 『安全。でも、安心できない…信頼をめぐる心理学』中谷内一也 ちくま新書
似て非なる安心と安全の違いを心理学で読み解く、不安社会を生きるための実践書。選者の松山さんは「科学が多くのリスクを具現化するなか、安心を得る方法がわかる」と語る。

■9位 『世界で一番美しい元素図鑑』オドア・グレイ/著 ニック・マン/写真 若林文高/監修 武井摩利/訳 創元社
あらゆる元素を、カラフルな写真とわかりやすい文章で解説している図鑑。その元素がどんな製品に使われているかも、ビジュアル付きで紹介されており、眺めるだけでも楽しい。

■10位 『宇宙100の謎』福井康雄/監修 角川ソフィア文庫
一般応募で集められた宇宙に関する疑問に、名古屋大学大学院の教員や大学院生らが回答。素朴な質問、鋭い質問に対し、明快な説明が繰り広げられる、宇宙を知るための入門書。

ランキング取材・文=澤井 一
(ダ・ヴィンチ7月号 「その道のプロに聞く! ダ・ヴィンチなんでもランキング」より)