「2012年上半期」趣味・実用書ランキング―健康本が空前の大ブーム

健康

更新日:2012/6/18

 『ダ・ヴィンチ』7月号では、2012年上半期BOOK OF THE YEAR(※)をジャンル別に発表。時代の流行や欲望をもっともダイレクトに反映する趣味・実用書部門では、上半期はトップ5のうちなんと4冊が健康本。
 テーマの斬新さと話題性で首位に輝いたのは『「空腹」が人を健康にする』。50代でありながら30代にしか見えないDr.ナグモの写真入り帯を書店で見かけ、衝撃を受けて思わず手に取ってしまった人も多いのでは。「一日一食」健康法のインパクトもさることながら、何より著者の若々しいヴィジュアルに圧倒的な説得力がある。


■1位『「空腹」が人を健康にする』南雲吉則
■2位『弱った体がよみがえる人体力学』井本邦昭
■3位『やってはいけない風水』紫月香帆/監修
■4位『毎日3分、体がぐんっ!とラクになるきょうのストレッチ』中野ジェームズ修一/ストレッチ監修 榎本タイキ/イラストレーション
■5位『体幹力を上げるコアトレーニング』木場克己
■6位『美容事典』濱田マサル 
■7位『免疫力をアップする、塩麹のおかず』白澤卓二/医学監修 タカハシユキ/レシピ作成
■8位『ひとさじで料亭の味!魔法の糀レシピ』浅利妙峰
■9位『ねこ背は治る!知るだけで体が改善する「4つの意識」』小池義孝
■10位『樫木裕実カーヴィーダンスで楽やせ!』樫木裕実
■10位『このまま30歳になってもイイですか?』鳥居志帆

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 著者自身が効果を証明し続けているという意味では、フィットネス業界の美のカリスマ樫木裕実も同様。新時代のヘルス&ビューティー・アイコンの快進撃は当面続きそうだ。

 

 ダイエット&トレーニング本は意表を突くやり方は鳴りを潜め、体を根本から作り変えることを目的としたスタンダード路線へ回帰。人体力学、体幹力、ストレッチと手法は違えど、毎日コツコツ続けて体をあるべき姿に整えるという地に足の着いたスタンスは共通。日本古来の発酵調味料「塩麹」ブームも、手間暇はかかっても素材の栄養や旨味を引き出すことを優先させるという意味では、食の原点回帰の表れともいえる。自分の身は自分で守る。そんなささやかながらも確固たる自己管理意識の高まりが反映された結果となった。

※全国の書店員にアンケートを実施。2011年10月1日~2012年4月6日に発売された書籍の中から、売れ行きもよく、内容的にも自信を持ってオススメできるという基準で、各ジャンルごとにベスト5をあげてもらった。のべ800店を超える書店から寄せられた回答をもとに集計。上位作品の中から各ジャンル別の委員会のメンバーが自らのベスト5を選出し、順位別に傾斜をつけて投票、書店員からの得票に合計してランキングを作成した。

文=阿部花恵
(『ダ・ヴィンチ』7月号「2012上半期 BOOK OF THE YEAR 文庫ランキング」より)