スウェーデンでも1位、子どもに絶対受ける絵本とは

文芸・カルチャー

更新日:2017/11/26

『ダ・ヴィンチ』7月号では、子どもの本やミステリーの紹介・書評などで活躍する児童文学評論家・赤木かん子が、子どもが読んで楽しくなる絵本5冊を紹介。

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「今、刊行されている絵本の半分が、実は大人向けなんです。子どもが理解できておもしろい、子どものためにつくられた絵本はすごく少なくなりました」と語る赤木がまず選んだのは『ひみつのおかしだおとうとうさぎ!』。
「どんな子に読み聞かせても絶対ウケるのが、スウェーデンの子どもの投票で、2011年の年間1位にも選ばれた『ひみつのおかしだおとうとうさぎ!』。適度に皮肉で、のびやかで、文句なく楽しい。でもこの面白さは、大人に説明してもわかんないことが多いです。子どもが面白いとこはたいてい大人には面白くないから」
ほか、選出されたのは下記の通り。

■1冊目 『ひみつのおかしだおとうとうさぎ!』ヨンナ・ビョルンシェーナ/作 枇谷玲子/訳
■2冊目 『ディズニープリンセススペシャルガイド』ジョー・ケイシー、べス・ランディス・へスター、キャサリン・サンダース/文 もきかずこ/訳・文
■3冊目 『としょかんねずみ』ダニエル・カーク/文・絵 わたなべてつた/訳
■4冊目 『くらくてあかるいよる』ジョン・ロッコ/作 千葉茂樹/訳
■5冊目 『ポレポレやまのぼり』たしろちさと

「自分の好みは押しつけず、子どもが「これ買って!」という本を買うのが親の仕事」と赤木は言う。「ここに挙げた5冊のように気持ちのいい、気立てのいい絵本を見ると、自分の中のどす黒いものが、雄大な景色を観た時と同じように外へ出ていく。“すごい!”と思った時、人は浄化されるんです」

取材・文=河村道子
(『ダ・ヴィンチ』7月号「2012 BOOK OF THE YEAR 識者に聞く独断ランキング!」より)