栗山千明に演じてほしい、ドSお嬢様刑事

芸能

更新日:2012/6/22

 デビュー作『死亡フラグが立ちました!』が「第8回このミステリーがすごい!」大賞の隠し玉として2010年に刊行された七尾与史さん。彼にとって初のシリーズものとなったのが、『ドS刑事 風が吹けば桶屋が儲かる殺人事件』(幻冬舎)にはじまる「ドS刑事」シリーズだ。

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 タイトル通り、ドSなお嬢様刑事・黒井マヤが事件を引っかき回す物語。先日発売された2作目の「朱に交われば赤くなる殺人事件」では人気番組のクイズ王をめぐる連続殺人事件が繰り広げられるが、前作に輪をかけたマヤの容赦のないドSぶりも愉しめる。

 「そうですね。ネットを見ると『まだドSぶりが足りない!』という意見が圧倒的に多いんですよ(笑)。それには応えなければならないだろうと。マヤ様にはドM刑事の浜田という生贄も用意して、ドSぶりを引き立てる感じにしてあります。物語にはとりたてて必要じゃないんですけどね(笑)」。読者からの意見を目にすると、「ドS」に対する世間のニーズが大きいのではないか、と感じるという。

 もしこのシリーズが映画化された時には誰に演じてほしいという希望はあるだろうか。

 「マヤは、書いていた時は意識しなかったのですが、表紙の絵を見ると栗山千明さんかなと思います。主人公の代官山は堺雅人さん。ドM刑事の浜田は濱田岳さん(笑)。今だから言っちゃいますけど、それを意識してつけた名前です」。

 1作目が10万部を超え、2作目も重版が既にかかって4万部というベストセラーだけに、3作目への期待が高まる。

 「マヤって今まで内面的なものとか過去とかが書かれてないので、3作目を書くなら、そういったヒロインの人間形成に踏み込んでいけたら面白いかな。あと、マヤってまだピンチとかないですよね、周りはピンチになってますけど(笑)。ライバル的な存在もいない。安全地帯から見下ろしてるキャラなので、もっとマヤがピンチになったり、ライバルが出てきたりしたらおもしろいんじゃないかなと。あとマヤと代官山の微妙な関係がどうなるかとか、今後に期待していただきたいと思います」。

取材・文=千街晶之
(ダ・ヴィンチ7月号「『ドS刑事 朱に交われば赤くなる殺人事件』 七尾与史」より)