新総理!? 坂口恭平って何者?

社会

更新日:2012/6/25

 東日本大震災後、熊本に新政府を立ち上げ、初代内閣総理大臣に就任。――まるで小説のあらすじのようだが、現実の話である。その“新総理”の名は、坂口恭平。故郷の熊本に被災避難者のための避難所を0円でつくり上げ、さらにはDIYで政府もつくってしまった彼。2004年、路上生活者のライフスタイルから理想の家と生活について考察した『TOKYO 0円ハウス0円生活(大和書房)で脚光を浴び、アーティスト、建築家、作家として多彩な活動を行ってきたのだが、いま、彼が多方面から注目を集めている。

 まず現在公開中の、堤幸彦監督の最新作品『MY HOUSE』は、坂口の著書『TOKYO 0円ハウス0円生活』『隅田川のエジソン』(青山出版社)を原作にした劇映画。『劇場版SPEC~天~』も好評を博し、『エイトレンジャー』の公開も控えた堤監督が、構想に5年を費やした“本当に撮りたかった映画”だという。

advertisement

 さらに、6月30日からは渋谷・ユーロスペースにて『モバイルハウスのつくり方』(監督:本田孝義)が公開。こちらは“建てない建築家”坂口の活動にスポットを当てたドキュメンタリー映画。本作公開にともない、中沢新一が「坂口恭平はほんものの天才だ」というコメントを寄せ、話題を呼んでいる。

 また、5月に刊行した『独立国家のつくりかた』(講談社現代新書)では、これまでの活動を通した“いまを生きのびるための技術”を坂口本人が解き明かしている。行動を続ける注目のアーティストが語る“希望”とはどんなものなのか。ぜひ本書で感じてほしい。

(ダ・ヴィンチ電子ナビより)