独自な言い回しが中二病に人気の作家・田中ロミオ

マンガ

更新日:2012/7/19

 『人類は衰退しました』のアニメが放送され、劇場版『AURA ~魔竜院光牙最後の闘い~』(小学館「ガガガ文庫」刊)の公開も決定するなど、今ノリに乗っている作家・田中ロミオ。もともとは18禁ゲームのシナリオライターとして活躍しており、独特な言い回しや特有の掛け合い、間が特徴的。それは“ロミオ節”と言われ、自意識が強い中二病のレーダーにはビンビン反応するようだ。

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 中でもファンから「これぞロミオ!」と言われ、映像化を期待されていた作品が『AURA ~魔竜院光牙最後の闘い~』。

 これは中二病を卒業して高校デビューした(はずの)少年と、中二病まっただ中の少女が繰り広げる学園ラブコメディになっている。クラスの半分が中二病で、ロン毛で白い学ランを着た生徒や木刀を携行し、眼帯をつけた女生徒、自称「闘装騎震イグナイト」など、ほかの登場人物もかなり“中二”だ。

 これだけを見ると、はちゃめちゃな内容かと思うが、実は学校における人気の優劣などを描いたスクールカーストものでもある。いじめに関する描写もあるので、かつて中二病だった人は読み進めるのが辛くなるかもしれない。しかし田中の作品は痛いだけではなく、笑いの要素もあり、また救いも用意されている。

 一方『人類は衰退しました』は、人類がゆるやかに衰退を迎え、もはや“妖精さん”のものになった地球での、わたしと妖精さんの話。一見かわいらしい妖精さんが登場する“ゆるふわストーリー”かと思いきや、「神のようなわたし。わたしは神。」などと言ってしまう主人公が登場し、こちらも中二病が全開。外見に似合わず「しかし、よく電球なんて作れましたね……げっ歯類風情が」などと言う腹黒なわたしや「ごつごーしゅぎです?」と言う妖精さん。田中ロミオが描くブラックメルヘンな世界へ足を踏み入れてみてはいかがだろう。

なお、7月18日には『人類は衰退しました』の7巻と『AURA ~魔竜院光牙最後の闘い~』のコミックスも発売された。