小明が選ぶ「最強に怖い楳図かずお作品」ランキング

なんでもランキング

更新日:2013/8/2

あつ〜い!こんな暑い時はやっぱり読書!背筋の凍るような怪談話が読んでヒヤっとしたいラコ〜!! そんなわけで、恐怖漫画の巨匠楳図かずお先生の作品の中で最も怖い5冊をアイドル界随一の楳図っ子、小明さんに選んでもらったラコ!

小明
1985年生まれ。エプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、現在、フリーのアイドルライター。著書に『アイドル墜落日記』(洋泉社)。サイゾーテレビ『小明の副作用』出演中

1位
おそろしい夢が、現実となって…
神の左手悪魔の右手 (1) (小学館文庫)
神の左手悪魔の右手 (1) (小学館文庫)
  • 著者名:楳図かずお
  • 発売元 : 小学館
  • 価格:610円

2P目をめくった瞬間、ページ全体で目から刃物が飛び出ている女の子の絵。恐怖ですよ! 例えば白い壁から血が出てくるとか、ケーキから血が出てくるとか…。視覚的にも味覚的にも、「ここからこういうものがでてきたらいやだな〜」っていうのを的確についてくる。いやだ!と思う前に見せられちゃうので背筋にキます。書き込みも半端なく執拗。いちばん好きな楳図作品です。

2位
誰しも一度は考える、「人生2周目」への狂気
洗礼 (1) (小学館文庫)
洗礼 (1) (小学館文庫)
  • 著者名:楳図かずお
  • 発売元 : 小学館
  • 価格:570円

特に女の人にオススメの作品です。過去の美しさにしがみつきすぎた母親と、犠牲となった娘の話。娘の脳を自分に移植して、人生2周目を生きようとする母親の、老いへの恐怖が描かれています。けれど何よりも怖いのは「母親の醜悪さ」につきる! 皺や目配せ、心理描写が一線一線描き込まれているんです。グロテスクな描写など視覚的なインパクトはもちろん、ストーリーが圧巻です。

3位
人が死に絶えた未来に、小学校が飛ばされる
漂流教室 (1) (小学館文庫)
漂流教室 (1) (小学館文庫)
  • 著者名:楳図かずお
  • 発売元 : 小学館
  • 価格:627円

小学校が荒れ果てた土地に飛ばされちゃうんですが、子どもは必死に生きていこうとするなか大人がことごく頼りにならないうえに、多くの殺戮が行われます。唯一ダメじゃない大人というのが主人公のお母さん。世間からみたら狂人なんだけど、最終的に彼女の活動が正しかった、という。恐怖だけでなく、親子の愛に泣ける作品でもありますね。

4位
ロボットの意識が覚醒した!長編SF漫画
わたしは真悟 1 (ビッグコミックススペシャル 楳図パーフェクション! 11)
わたしは真悟 1 (ビッグコミックススペシャル 楳図パーフェクション! 11)
  • 著者名:楳図 かずお
  • 発売元 : 小学館
  • 価格:1,543円

楳図先生の画力が凄すぎてひたすら気持悪い! 特に主人公まりんに執拗に迫る男、ロビンの気持悪さと言ったら…。けど、この作品ではスプラッタとは別の、「高いところ」の恐怖も描かれていて、東京タワーのてっぺんに子どもふたりがのぼっていく背景や、風、音とかの描写がリアルに身をすくませるんです。少女の、大人になってしまうことの恐怖もあり、いろんな種類の恐怖が味わえる作品ですね。

5位
自分で作った人形に「ねがい」をこめたけど……
ねがい (ビッグコミックススペシャル 楳図パーフェクション! 2)
ねがい (ビッグコミックススペシャル 楳図パーフェクション! 2)
  • 著者名:楳図かずお
  • 発売元 : 小学館
  • 価格:1,028円

友達のいない主人公が、友達になるように木の廃品で人形を作り、動くように毎日願いをかける。けど好きな女の子ができて人形が邪魔に。その途端ねがいがかなって…。まず、その人形がグロいんです。こわいんです。主人公の美的センスが心配になるくらい。友達とうまくいかないとき、自分のなかの友達を作ったりするじゃないですか。これが実物になったらいいのに、という思いが生んだ悲劇が切ないんです…。

【小明さんより】 楳図先生は、恐怖をエッセンスに少年少女の成長を描いていると思うんです。とっても恐ろしい作品ばかりなのに、ご本人はとっても優しくて上品。そこがまた魅力ですよね!

取材に赤白の楳図Tシャツで現れた小明さん、恐怖の選出ありがとラコ〜! 小明さんは高校生の頃、教師に「楳図漫画のへび女に似てる」と言われたのが楳図作品との出会いなんだって!ほかにもこんなテーマのランキングが知りたい!というのがあったら @bookrako までよろしくラコ!