幸せな結婚をするための、オトコの吟味法とは?

恋愛・結婚

更新日:2012/8/14

 女性にとって結婚とは、まさに人生を左右する一大事だ。男性にとってもそれは同じかもしれないが、結婚相手によってライフスタイルや考え方まで変わってしまう女性からすると、相手選びの切実さは比べ物にならない。だからこそ、女性は男を選ぶときにいろいろと計算せざるを得なくなる。見た目や学力、お金、地位、名声、才能、あらゆる観点から相手を選ぶのだ。

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 そこで、高田里惠子の『女性・結婚・男選び あるいは(選ばれ男子)』(筑摩書房)で紹介されている小説から、どうやって男選びをすればいいか探ってみようと思う。

 まずはじめに、打算が丸見えなのはよくない。著者が例に挙げるのは、水村美苗の『私小説 from left to right』と夏目漱石の『明暗』。『私小説 from left to right』の奈苗のように母娘で相手を吟味し、外見を除けば大学卒業後、ビジネススクールでMBAを取得し、家柄も良い結婚相手として最高の条件を兼ね揃えた男を選んだとする。また『明暗』のお延のように、幸せになるために相手を愛し、愛させたとしよう。お延は自分の意思で打算のない心で相手を選んだと思っているが、これまた自分の欲望だけを押し付けた立派な打算だ。こんな打算だらけの2人は、結局「理想の結婚」にはたどり着けない。

 しかし、打算が全くなければそれでいいかと言われると、そうでもない。

 ここで紹介されるのは、夏目漱石の『虞美人草』の藤尾。藤尾といえば、気位の高い“嫌な女”扱いされることが多いが、著者は藤尾を純粋な女性と擁護している。本書によると、藤尾の男選びには打算はなく、「自分の心の命ずるままに」小野を選ぶ。しかし、彼はその思いに応えてくれるほど藤尾を愛してはくれなかった。ただ社会的に地位のある男性や自分の好きな人と結婚しても、選ばれるべき男性に深い心で愛されていなければ、幸せな理想の結婚にはならないのだ。

 そのために必要なのは、尊敬できる相手を選ぶこと。
『高慢と偏見』のエリザベスが、結果的に「最上の男」をゲットできたのもそのおかげだ。彼女は最初、自分が自分であるため、自由でいるために打算も働かせず、金持ちで家柄も良く、ハンサムなダーシーからの求婚を断る。どんな女性も自分との結婚を望んでいると思っていたダーシーだったが、この出来事でエリザベスの尊敬に値する人物になるために生まれ変わり、物語は2人のハッピーエンドで終わる。『若草物語』の次女・ジョーや『ジェーン・エア』のジェーンも男性を尊敬し、ベア教授やロチェスターも尊敬されるような人物であろうとしていることで、幸せな家庭を築いている。

 「打算をもたない」「愛してくれる人」「尊敬できる人」この3つが揃えば、あなたも幸せな結婚ができるかもしれない。でも、これってハードル高すぎる!?