デビュー5周年の入間人間が“アラタなるセカイ”へ

マンガ

更新日:2012/8/16

 その執筆スピードの速さから「月刊入間人間」とも呼ばれる入間人間は、2007年に『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』(入間人間、左/アスキー・メディアワークス)でデビューし、多くの作品を生みだしてきた。アニメ化もされた『電波女と青春男』(入間人間、ブリキ/アスキーメディアワークス)は、10日ほどで書き上げたという伝説もある。

advertisement

 そんな入間人間も今年でデビュー5周年を迎える。その記念として『入間人間のセカイ』という大プロジェクトが始動した。中でも注目なのが、これまでの集大成として作られている今までにないメディアミックスプロジェクト『アラタなるセカイ』だ。小説の執筆はもちろん、マンガ原作からアニメの脚本、音楽の作詞に至るまで全てを入間人間が手がける。

 人類滅亡を明日に控えた2012年の現在。人類はその滅亡を回避するが、代わりに永遠に明日の来ない、今日を生き続けることになる。そんな現在を変えるため、過去と未来にそれぞれタイムトラベルした主人公たちの物語を、マンガ・小説・アニメで描きだす。

 入間人間と大岩ケンジが描く「過去編」のマンガ、入間人間と深崎暮人が紡ぐ「現在編」の小説、入間人間とマッドハウスがコラボして作り上げた「未来編」となるアニメ。これらすべてで1つの作品となるのだ。

 群像劇を得意とする入間人間は、Web小説なども含め、ほぼすべての作品がクロスオーバーしている。一見読みづらそうに見える文章にも実はさまざまな伏線が張り巡らされており、その巧妙な作りが解き明かされたときの快感に魅了されるファンも多い。今回の『アラタなるセカイ』でも、その魅力は十分に発揮されているようだ。

 また、狂気をはらんだヒロインたちも、入間作品の魅力のひとつだ。目的もなく小学生を拉致監禁したりみーくんを傘で殴りつけたりする『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』のまーちゃん。『トカゲの王』(入間人間、ブリキ/アスキー・メディアワークス)でトカゲの右目を奪って観賞用にしたり、囮にした同級生の男の子が死んでも何の感慨も抱かない巣鴨。そんな歴代のヒロインたちに通じる狂気をほうふつとさせる「過去編」の八田や岩塚にも注目したい。

 現在、公式Webサイトでは現在編と過去編の試し読みや、『アラタなるセカイ』の誕生秘話が書かれた『バカが全裸でやってくる 5年前5年後5年間』が公開されている。さらに入間人間作品に登場するキャラクターが一堂に会する夢のような小説『ハイパーイルマ大戦』が発表されており、今、入間人間から目が離せない。

入間人間創作5周年記念企画『入間人間のセカイ』presents「アラタなるセカイ」公式サイト
http://www.aratanarusekai.com/

●『バカが全裸でやってくる 5年前5年後5年間』
http://irumahitoma.jp/webnovel/novel_anv_s002_01/index.html

●『ハイパーイルマ大戦』
http://irumahitoma.jp/webnovel/novel_anv_s001_01/index.html