夏休み大詰め! 齋藤孝センセイが教える読書感想文のコツ

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更新日:2019/8/15

『だれでも書ける最高の読書感想文』(齋藤孝/KADOKAWA)

 学生のみなさんにとっては、長いはずの夏休みも気付けば残すところわずか。きっと、「宿題、終わってないよ……」と焦燥に駆られている人も多いのでは? なかでも苦労するのは、読書感想文。自由研究とともに、夏休みの2大ラスボスといってもいいはずだ。そこで、読書感想文がまだ終わっていない人のために、ぜひオススメしたい本がある。

 それは、ベストセラー本『声に出して読みたい日本語』(草思社)でもおなじみ、齋藤孝センセイの『だれでも書ける最高の読書感想文』(KADOKAWA)。“本を読めない派”も“文章を書けない派”もどんとこい! という、頼りになる1冊だ。

 まず最初に齋藤センセイが手ほどきするのは、「やらされてる感は捨てよう!」ということ。“読書感想文なんてチョロイもん”と信じ込み、テンションを下げないのが大事。できるできる、やればできるんだ……! と、試合前の内村航平や吉田沙保里になった気分でとりかかろう。

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 次に、本を読むときは、「これを人に伝えよう」と思って読む。そして、読み終わったら、家族や友だちなどに感想を話すのが齋藤流。ただし、相手のリアクションが「……へぇ」で終わってしまう可能性もあるので、そこはあらかじめ気にしないほうが得策かもしれない。リアクションの薄さに心が折れてしまえば、振り出しに戻ってしまうので要注意!

 そして、「自分の心にグッときた言葉を拾い出すこと」も重要。さらに、書きたいことを3つにしぼれば、いざ原稿用紙に向かうときもスムーズに入れるはず。齋藤センセイいわく、「感想文を書くということは、「ものごとを決断する」力の訓練でもある」のだそう。ここは秋元康にモードチェンジして、AKB48のチームをつくる気分で書きたいことを選抜してみよう。

 このほか、文章のメリハリや実感がこもったリアル表現を生み出す秘訣など、実践的なノウハウがいっぱい。スポーツや音楽、偉人、薄くて読みやすい文豪モノなど、好きなジャンルやカテゴリーごとのブックガイドもついているので、まだ本選びさえ済ませていない人にはうってつけだ。

 最後に。「この本を読んでる時間がないんだよ……!」と嘆く方へ。そんな人は、いっそ、この本で読書感想文を書いてみるのはどうだろう。来年への備えにもなり、かつ、かなり個性的な読書感想文に仕上がること間違いなしである。

 「この世に明けぬ夜は無し」とはシェイクスピアの言葉だが、宿題も始めれば、いつか終わる。みんながんばれ! と、エールを送りたい。