夏目三久をスキャンダルから救った本

芸能

更新日:2014/6/1

 テレビ朝日『マツコ&有吉の怒り新党』では、女子アナ嫌いのマツコからのイジリにも涼しい顔で仕切り、ついに春からは初の冠番組『ナツメのオミミ』を持つまでにいたった夏目三久。そんな彼女が、「心が折れそうなときに支えられた本」を、現在発売中の『日経WOMAN9月号』(日経BP社)で紹介している。

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 取り上げたのは、伝説の元NHKラジオアナウンサー・中西龍をモデルにした三田完の小説『当マイクロフォン』(角川書店)。夏目がまだ日テレ在職中、思うように仕事ができず落ち込んでいたときに、担当番組の道具スタッフから渡されたそう。インタビューでは、そのときの感想を、
「技術を磨き大成する主人公の姿に“初心を忘れず、努力して頑張れよ”というメッセージを受け取りました」
と述べている。

 しかし、彼女が取り上げた『当マイクロフォン』、20代の女性が共感するにはいささか破天荒すぎる物語なのだ。たとえば、中西が新人として赴任した熊本放送局では、仕事は順調ながら女性を巡るトラブルで脅迫電話がかかってくるようになり、わずか1年足らずで鹿児島放送局に異動。しかし、鹿児島では上司の勧めで見合いをするも、遊郭の女性との関係がバレてしまい、あえなく旭川への転勤命令が……。こんな具合に、地方局を次々と流転するのだ。一体どのあたりが、社会人1年生の夏目の参考になったのだろうか……?

 そういえば夏目も、スターアナウンサーとして期待がかかるなか、入社まもなくスキャンダルに襲われた過去がある。とくに新人の女子アナにとっては、周囲の視線の厳しさだけでなく、番組の降板を命じられるなど、辛い思いも人一倍体験したはず。そう考えると、逆境のなかでも自分らしさを捨てず、ラジオアナウンサーとして一躍人気を集めるまでにいたった中西に、夏目は自分の姿を重ねあわせたのかもしれない。

 いま、実力勝負のフリーの世界で奮闘する彼女。女子アナとしてはとても珍しいベリーショートを美川憲一のようだと揶揄されても、我が道を行く態度は清々しいもの。「意志の強さが感じられる」「ほかの女子アナのように甘えていない態度がいい」と、視聴者からの評価も上々だ。どうかこれからも、スキャンダルに負けず独自の芸を磨きあげた中西のように活躍の場を広げていってほしい。