東大出身の秀才デザイナー 井上のきあさんの本棚

公開日:2012/8/24

井上のきあ

<井上のきあ>
デザイナー&ライター
著書に『消しゴムはんこの魔法』(エンターブレイン)、『デザイン素材集 アトリエ』『Photoshopデザインメソッド』『Illustratorデザインメソッド』『かわいい素材 花とストロベリー』 『レース素材集』『花花素材集』『ふわふわ素材集』『きらきら素材集』(MdN)、『SAI Illustration Technique』『Photoshop Elements 漫画テクニック』『Photoshop漫画テクニック』『FlashMaker Motion Design』(BNN新社)など。デザインの素材や、フォトショップ、インデザインを活用したマニュアル本など、モノづくりのために必要な本も多数手がけている。

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インタビュー

――「あーまだこの手があったか」と思うような、表現手法を見つけたいです。
◆クリエイターになったきっかけ、作品制作するようになったきっかけは?
今みたいなデザイナーになったきっかけは、仕事があったからです。仕事がなかったら、おそらくこの職業の存在に気づかなかったと思います。絵を描くのは子供のころから好きでしたが、続けてたのはいま思えば、それも学級新聞とか行事告知用のポスターとかコンクールに出すとか、なんかしら使い道があったからかもしれません。
◆創作活動の中で、心がけていること、大切にしていることは?
仕事では、締め切りを守る、お金になるもの(売れるもの)をつくる。仕事じゃない場合は、自分の好きなものだけをつくる。ほぼボランティアみたいな仕事の場合は、その中間くらいの感じでやってます。
◆尊敬しているクリエイター、影響を受けたクリエイターは?
平林奈緒美さん、荒木経惟さん、高橋ヨーコさんです。デザインとはこうあるべきもの、写真とはこうあるべきもの、というのを破壊した方々(たぶんそういうつもりはないと思いますが)なんじゃないかなーと。ただ、既存の枠組みを破壊するひというのは、いつの時代もあらわれるもので、わたしがたまたまデザインに興味を持ったり、写真に興味を持ったタイミングで、ちょうど面白いことをやってたのがこの方々、ということです。
◆今、夢中になっているもの、気になっているものは?
電子書籍とか、Estyやminne、(もうみんな忘れてるけど)ガムロード、appストアみたいに、個人が組織や業界に頼らずに商品を公開し、対価を得ることができるシステムです。いまは不況なので「これおもしろいんだけどなー」と思ってもそう簡単には世に出してもらえないので、そういう突破口みたいなとこが育たないと、世の中がみんな似たようなものばっかりになっちゃってつまらないです。
◆これからの夢や目標は?
ガーリーとかレースとか花とか和とかきらきらとかコラージュとかロココとかアナログ表現とかアートっぽいのとかそのへんはもう飽きたので(仕事ではひきつづきやりますが)、こういうの以外の、だれも見たことがなくかつ使える、「あーまだこの手があったか」と思うような、表現手法を見つけたいです。そうするとまじめに歴史を研究するしかないのかなーと思っています。
◆井上のきあさんが自分のデザインを通じて相手に届けたいと思っていることは何でしょうか?
商業デザインの場合は、クライアントが伝えたいこと。デザインはただの手段(言語みたいなもの)なので、それが伝わらないと意味ないです。考えてみても、デザインを通じて相手に届けたいことはあんまりありません。ああなんかきれいだな、くらいに思ってもらえれば。

 

makeboothβ
代表作:100WORKS NOKIA INOUE
井上のきあ氏が手がけたイラストやデザインが100点収録された作品集。のきあ氏がいったいどういうクリエイターなのかを知るきっかけになる本として貴重なもの。気がついたら、作品世界に惹きこまれてしまうはず。