エロの新潮流? π/(パイスラ)に萌える男子が急増中

文芸・カルチャー

更新日:2019/11/27

「π/」をご存知だろうか。数学の公式ではない。読みはパイスラッシュを略してパイスラ。実はネットで流通している萌え用語だ。
女性がショルダーバッグをたすきがけにすると、胸の谷間にカバンが食い込み、オッパイが強調される。そのとき、バッグの紐の状態がまるでスラッシュ記号のように見えるので、オッパイにスラッシュ=π/ということらしい。

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実際、ネットで検索してみると、マニアの間ではこんな声がとびかっている。
「あの食い込んだ感じがエロすぎる」「斜めっていうのが萌える」「ショルダーバッグになりたい」「パイスラを知ってから妄想がとまらず、外に出るのがこわくなった」
一般人にとっては何のこっちゃという話だが、しかし、この果てしなき妄想は日々増殖の一途をたどり、今やエロのニュートレンドか、というほどの勢いを見せ始めている。

もともとパイスラは二次元から盛り上がりをみせたジャンル。数年前から一部の同人誌にショルダーたすきがけの美少女イラストが掲載されようになり、時おりπ/記号のついたオンリーイベントなども開かれていた。とはいえ、当時はまだ一部マニアが愉しんでいるだけのひそかなブームにすぎなかった。

ところが、昨年あたりから商業誌などでもとりあげられはじめ、今年春にはパイスラのマンガ、イラストを集めた『おっぱいアンソロジー π/』(マジキューコミックス編集部/エンターブレイン)が発売。イラスト投稿サイト「pixiv」でも、数百件を超える投稿が集まるようになった。

そして、この夏、パイスラはとうとう、三次元に進出してしまった。通学途中のセーラー服にスクールバッグのパイスラ、スク水にスポーツバッグのパイスラ、さらには、ふたつのカバンをエックスがけにしたX型パイスラ……。マニアがこれまで夢想していたさまざまなパイスラシチュエーションをリアルで実現した写真集『ぱいすら女子』(大根篤徳/グライドメディア)が出版され、着エロファンの間で大人気を博しているのだ。

さらに、この9月20日には、『スクールガール・コンプレックス』(イースト・プレス)の青山裕企がパイスラ写真集『パイスラッシュ ―現代フェティシズム分析―』(エンターブレイン)を刊行する予定だ。青山の『スクールガール・コンプレックス』は、少女が一瞬見せるしぐさやポーズをフェティッシュに切り取る手法で男子が制服少女に抱く幻想を完璧に再現し、高い評価を受けた。その青山がパイスラを再現したら、おそらくその魅力にめざめる男子がさらに増え、パイスラブームはますます盛り上がっていくだろう。

π/→∞ 男子のエロ妄想、恐るべしである。