子どもに読ませたい「防災の本」ランキング

出産・子育て

公開日:2012/9/11

 9月に入り、1日の「防災の日」を中心に各地で、防災訓練が実施され、巨大地震に対する懸念も高まっている昨今。いつ起こるかわからない地震に備え、改めて子どもと一緒に防災について考える機会をつくってみてはどうだろうか。そこで今回は、危機管理アドバイザーとしてご活躍の国崎信江さんに“子どもに読ませたい防災の本”を紹介してもらった。

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【1位】『津波 TSUNAMI!』 キミコ・カジカワ/再話 エド・ヤング/絵 小泉八雲/原作 グランまま社 1680円
『稲むらの火』の名で知られる小泉八雲原作の物語を、米国在住のキミコ・カジカワが絵本用に再話。江戸末期に実際に起きた津波の様子や、生き延びるための教えが語られる。

【2位】『ぼくの街に地震がきた』 名古屋 裕/まんが 国崎信江/原案 目黒公郎/監修 ポプラ社 1365円
ランキングの選者・国崎信江さんが原案を手掛けた大震災シミュレーションコミック。小学5年生の主人公・孝介や友人たちの振る舞いを通じ、地震発生時の正しい行動を学べる。

【3位】『12歳からの被災者学 阪神・淡路大震災に学ぶ78の知恵』 土岐憲三、河田惠昭、林 春男/監修 メモリアル・コンファレンス・イン神戸/編著 NHK出版 1260円
被災時の振る舞いや適切な思考法などをまとめた一冊。執筆には各界から32名の専門家が参加。丁寧でわかりやすい解説が特徴的で“正しい被災者になるための入門書”と評判。

【4位】『僕らは今を生きている 東北の子どもたちからのメッセージ』 かとうゆういち 児童健全育成推進財団 1050円
東日本大震災の被災地で生きる子どもたちの、元気な表情や前向きなメッセージが収められた写真集。国崎さんは「大変な暮らしの中にも笑顔があることを知ってほしい」と語る。

【5位】『まち』 新井洋行 自由国民社 1365円
主人公のみおちゃんが町を探検する絵本。国崎さんは「自分の住む町を知ることは防災の基本」と語り、みおちゃんの行動によって読者が道路や建物の関係を学べる本書を評価。

【6位】『じしんのえほん こんなときどうするの?』 国崎信江/作 福田岩緒/絵 目黒公郎/監修  ポプラ社 1260円
“ひとりでいるときにじしんがきたら”という切り口で描かれた絵本。下校時、留守番中など、シチュエーション別の対策が示され、大人向けの詳細な注釈も欄外に記されている。

【7位】『TSUNAMIをこえて スマトラ沖地震とアチェの人びと』 アチェ・フォトジャーナリストクラブ/写真 藤谷 健/文 ポプラ社 1365円
04年の津波から復興していくスマトラの様子を収めた写真絵本。国崎さんは「現実を知ってほしいと思い選んだが、衝撃的な画像もあるので保護者の判断で飛ばし読みを」と助言。

【8位】『地球温暖化図鑑』 布村明彦、松尾一郎、垣内ユカ里 文渓堂 2940円
地球温暖化を中心に、台風の凶暴化、干ばつの増加、ゲリラ豪雨といった地球上で起きている災害や気候異変を徹底図解。難しい用語にはふり仮名が振られ、子どもの学習にピッタリ。

【9位】『あの日をわすれない はるかのひまわり』指田和子/作 鈴木びんこ/絵 PHP研究所 1365円
阪神淡路大震災で妹を亡くした少女が主人公のノンフィクション絵本。悲劇は誰の身にも起きるということが子どもにも伝わり、同時に生き残った人々の強さや優しさに心が温まる。

【10位】『震度7 新潟県中越地震を忘れない』 松岡達英 ポプラ社 1260円
04年に起きた新潟県中越地震により被災した絵本作家による体験記。地震によって多くのものを奪われながらも、人と人の絆を再発見していく。温かなタッチの挿絵も印象的。

取材・文(ランキング部分)=澤井 一
ダ・ヴィンチ10月号 「その道のプロに聞く! ダ・ヴィンチなんでもランキング」より)