『氷点』をはじめ絶版作品も復刊 小学館から「三浦綾子 電子全集」刊行

文芸・カルチャー

更新日:2017/11/26


 小学館から、『氷点』『塩狩峠』などの著作で知られる三浦綾子さんの電子書籍による全集が配信されることになった。

三浦さんの生誕90周年と、同社の創業90周年を記念して、三浦さんの夫である、三浦光世さんが館長を務める三浦綾子記念文学館と共同で企画されたもので、電子書籍での全集は同社初となる。

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配信されるのは、代表作の『氷点』(上・下)や『塩狩峠』など、絵本・画文集を除いた単独著作の中から、小説40作品、随筆35作品、語録4作品、歌集1作品の80作品、91点となっている。電子化されるにあたって、多くの巻に、三浦綾子記念文学館所有の秘蔵写真や、夫・光世さんが見た創作秘話などが新たに追加されている。価格は90周年記念特価として全作品525円(税込)と購入しやすい値段設定となっている。主要電子書店で配信され、電子書籍専用端末、スマートフォン、タブレット端末、パソコンなどで読むことができる。

第1弾として10月12日(金)より『氷点』(上・下)、『銃口』(上・下)が配信され、その後は毎月第2・4金曜日に5タイトルずつ配信される予定で、2013年6月までに全作品が配信される。配信される作品の中には現在絶版になっているものも多く含まれており、これによりさらに多くの読者が三浦作品を手に取ることができるようになるだろう。

三浦綾子さんは1922年、北海道旭川市生まれ。軍国教育に献身した罪悪感から小学校教師を辞職。その後、結核の闘病中にキリスト教に出会い、洗礼を受ける。1964年、『氷点』で朝日新聞の懸賞小説に入選し、作家活動に入る。一貫してキリスト教の視点で「愛とは何か」を問い続け、『塩狩峠』『銃口』『道ありき』など数多くの小説、エッセイを発表した。1999年逝去。

配信スケジュールなど、詳細は公式サイトにて。
⇒「三浦綾子 電子全集」特設ページ(小学館eBooks)
⇒三浦綾子記念文学館 公式サイト