草食系男子から脱却するために。心を鍛える13冊

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更新日:2014/4/14

 世界同時不況、超高齢社会、ゆとり教育批判……。今の20代男性は不幸なことに、将来のビジョンが描きにくく、批判されやすい。そんな彼らは何を拠りどころに生きていくべきか。環境に惑わされず、自身の内面にこそ真実を見出す方法のキーワードは「戦う男」だ。

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 『ダ・ヴィンチ』10月号では、20代草食系男子たちに喝を入れる「心を鍛える文庫13冊」を紹介している。

 強くなるため、まず必要なのは「断る・主張する」力。
討論番組の論客としても知られる政治学者・姜尚中の自伝『在日』。二つの国の間で揺れながら自分自身を見つめてきた経験が、彼が発する言葉に説得力を持たせていることがよくわかる1冊だ。また、大企業のリコール隠しに立ち向かう中小企業の社長の姿を描いた小説『空飛ぶタイヤ』(池井戸潤)など5冊を紹介。衝突を恐れず主張を貫く力は、自分の意見があってこそ。そのうえでノウハウを獲得せよ!

■『在日姜尚中 集英社文庫 
■『空飛ぶタイヤ』(上・下)池井戸 潤 講談社文庫
■『大人力検定』石原壮一郎 文春文庫PLUS 
■『散るぞ悲しき 硫黄島総指揮官・栗林忠道』梯 久美子 新潮文庫
■『私の嫌いな10の言葉』中島義道 新潮文庫

 また、「覚悟」なくして変化・前進は不可能。男たちの姿が背中を押してくれる小説・エッセイも5冊紹介。芥川受賞後、作品と共にそのキャラクターと人生も注目された西村賢太の“激しさ”と“覚悟”がひしひし伝わってくる『どうで死ぬ身の一踊り』や、映画公開で話題を呼んでいる実話を基にした小説『のぼうの城』(和田竜)などがあげられている。この5冊からぜひ「覚悟を決める」強さを会得してほしい。

■『どうで死ぬ身の一踊り西村賢太 講談社文庫 
■『神様からひと言』荻原 浩 光文社文庫
■『永遠の0(ゼロ)』百田尚樹 講談社文庫
■『のぼうの城』(上・下)和田 竜 小学館文庫 
■『松浦弥太郎の仕事術』松浦弥太郎 朝日文庫

 そして最後に、失敗してもへこたれず這い上がる力を得るための3冊。こちらも映画化で話題の小説『天地明察』(冲方丁)や、芸人・千原ジュニアとEXILEのHIROがそれぞれ綴った自伝を紹介している。一人では立ち上がれないかもしれない。けれど、先人たちは失意から抜け出す道を残してくれているのだ。ぜひ、参考にしてみてほしい。

■『3月30日千原ジュニア 幻冬舎よしもと文庫
■『Bボーイサラリーマン』HIRO 幻冬舎文庫
■『天地明察』(上・下) 冲方 丁 角川文庫

取材・文=タカザワケンジ
ダ・ヴィンチ10月号「文庫ダ・ヴィンチ」より)