『花のズボラ飯』作者の正体はあの人だった!?

マンガ

更新日:2012/9/24

 「このマンガがすごい!」2012年版オンナ編第1位作品に選ばれ、累計発行部数も50万部を突破、そして、10月からはテレビドラマがスタートと、今、のりにのっているマンガ『花のズボラ飯』(久住昌之、水沢悦子/秋田書店)。しかし、その大ヒットの裏で、ネット上では不穏な噂が流れているのをご存知だろうか。

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 それは「ズボラ飯の水沢悦子って“うさくん”じゃね?」というもの。そう、じつは『花のズボラ飯』の作画担当・水沢悦子と、うさくんというマンガ家が同一人物ではないかというのである。

 うさくんは、頭の中がエロいことでいっぱいの男子中学生を主人公にしたほのぼの日常系作品『しあわせももりんご』(フォックス出版)や、「にゃん天堂」という架空のゲーム会社を舞台にした『うさくんの脳みそやわらかい』(アスキー・メディアワークス)などで知られる男性マンガ家。愛らしい絵柄と反比例した、テンションの高いギャグシーンや、エロティシズムに対する貪欲なまでの姿勢が好評を博しており、典型的な萌え系マンガとは一線を画していると話題を集めている。

 で、さっそく著書を読んでみると、人物の平べったく丸みを帯びた輪郭の描き方は、『花のズボラ飯』の絵と共通する点。さらに、代表作ともいえる人気作品『マコちゃん絵日記』(茜新社)を見てみると……ズボラ飯の主人公・花ちゃんにそっくりなキャラがいっぱい! しかも、1巻の表紙に描かれているメガネっ娘は花ちゃんの親友・ミズキに瓜二つなのだ。これはたしかに、同一人物説が浮上するのもおかしくはない。

 また、水沢先生がこれまでに発表した作品が『花のズボラ飯』と、同作とともに発表された『ヤコとポコ』(マンガ誌『もっと!』掲載)しかないのも気になる部分。さらにさらに、『花のズボラ飯』で原作を担当する久住昌之がTwitterで「“ぱふ”の水沢悦子先生のインタビュー、まるで水沢先生、男性みたいになっちゃってます。男勝りなんでしょうね。」と綴っていたのも、“水沢先生=じつは男性”を臭わせているようにも……読めなくもない!? 

 しかし、マンガ界では作品によってペンネームを使い分けている作家はたくさんいる。たとえば、『いちご100%』(集英社)で少年の心と股間をわしづかみにした河下水希も、過去に桃栗みかんというペンネームで少女マンガを描いていたというのは有名な話。現在『ヤングガンガン』(スクウェア・エニックス)で美少女恋愛浪漫活劇『セキレイ』を連載中の極楽院櫻子も、さくらあしかという別のペンネームを持ち、主にボーイズラブマンガなどを描いている。昭和の日本を舞台に革命を起こすことを目指した若者たちの群像劇『レッド』を『イブニング』(講談社)で連載している山本直樹も、作品によっては森山塔、塔山森のペンネームを使い分けていることで知られている。違う名前だけど中の人は同じ……というケースは、決して珍しい話ではないのだ。

 この“水沢悦子=うさくん説”と同じように、かつては『DEATH NOTE』(小畑 健:著、大場つぐみ:原著/集英社)の原作者・大場つぐみが、『とっても! ラッキーマン』(集英社)の作者・ガモウひろしなのでは? とネット上で噂されていた。大場が原作を担当した『バクマン。』(小畑 健:著、大場つぐみ:原著/集英社)には、その説を裏付けるかのように、『とっても! ラッキーマン』とおぼしきギャグマンガが登場し、ますますネットでは“検証作業”が盛んに。しかし、その真偽は依然、不明のままだ。

 水沢=うさくん問題も真相は藪の中だが、「ここが似てる」「これはちょっと違う」など、両者の作品を手に共通点や違いを見出してみるのも楽しいはず。さて、あなたのジャッジは……どっち!?