低コスト&非日常感で人気! 週末トリップできる「東京の島」

暮らし

更新日:2019/9/19

 10月を目前に心なしか日差しも弱まり、秋の風が吹く今日この頃。夏休みの思い出にひたりつつも、また旅への欲求がふつふつとわき上がってきている方も少なくないはず。そこでおすすめしたいのが、東京の島々を紹介したポケットサイズのガイドブック『TOKYO ISLANDS 島もよう』(ESPRE)。東京都に属する伊豆諸島のなかから、大島、利島、新島、式根島、そして神津島の5つをピックアップして掲載。それぞれの島の魅力や楽しみ方を詳しく紹介した1冊である。

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 実は、この“東京都の島”、旅フリークを中心に根強い人気を集めている。その理由を端的にいうと、低コストで自然や非日常感のある旅ができるから。アクセス方法は本書に詳しいが、大型フェリーやジェット船が竹芝桟橋からほぼ毎日出航し、調布の飛行場からは定期便が就航しているため、さっと荷物をまとめて週末トリップ! というのが気軽にできるのだ。

 ここで少し伊豆諸島についておさらいしてみたい。伊豆諸島とは、東京の南西方向に浮かぶ100余の島々のこと。しかし、そのほとんどが無人島のため、人が暮らしているのはわずか9つ。どの島も本土からは遠く離れているが、行政区分は「東京都」。なかでも、大島や八丈島は規模が大きく暮らしている人も多いため、知名度は意外と高い。

 ちなみに、本土から1000km以上離れた場所にある小笠原諸島もレッキとした東京都の島。近年は世界遺産にも登録され、一躍脚光を浴びたので、記憶に新しいのではないだろうか。

 では、本書に掲載されている5つの島々を簡単に紹介してみよう。

 まず、いちばん近くにある大島は、中央にそびえる三原山が島の象徴。黒い火山岩の沙漠が広がる異世界のような場所もあり、椿油として精製される椿の産地として有名だ。古い神社も多いが、最近はお洒落なカフェも増えてきた。利島はビーチこそないものの、周辺海域に生息するイルカと泳ぐことができる数少ない島。都内からわずか数時間でイルカと戯れることができるなんて、まるで夢のよう。巨木が多い島としても知られ、自然のオーラを全身に受けたい、という方にはおすすめだ。

 1970年代には「ナンパ島」とよばれ、多くの若者を集めたのが新島。コーガ石という白い砂でできたビーチは訪れた人々を魅了してやまず、今はサーフィンや海水浴、釣りのメッカとなっている。その隣にある式根島は、ターコイズブルーのビーチでのスノーケリングはもちろん、島の南部に湧く天然温泉が人気。海岸に面した温泉は、全面オーシャンビューの贅沢なものだ。新島から船で渡ることもできるので、一度に2つの島を楽しむ、ということも可能。

 最後は神津島。名前のとおり神聖な場所とされているこの島。特産品でありヤジリなどの狩猟道具に使われる黒曜石は、なんと2万年以上も前に太平洋を越えて本土までもたらされた記録がある。こんな絶海の孤島に人が来ていたんだ、という歴史のロマンを感じることもできる。神社巡りや海の見える温泉で夕日を眺めて過ごせば、リフレッシュできること間違いない。

 どの島も黒潮の影響を受けるため、都内よりも少し温暖。島の原生林は照葉樹という冬でも落葉しない木々のため、天気さえよければ秋でも南国のような雰囲気を味わうことができるだろう。

 そして、アクセスで使うフェリーもこの島旅の魅力。港を出航した船は、東京湾を抜け、大海原へ。都会の喧噪を離れ、360度水平線に囲まれたフェリーの甲板で海風に吹かれながら過ごす時間は旅情感あふれるもの。

 気軽な週末トリップを可能にしてくれる東京の島々。これからの季節は、夏の残り香を感じに、そして島ならではのゆったりとした時間を過ごすには最適だ。そんな島旅のイロハを紹介している『島もよう』。巻末にはフェリーを運行している東海汽船の10%割引券付き。これはぜひ活用しなければ!?