エロか? 禁欲か? 坊主マンガが人気な理由

マンガ

公開日:2012/10/2

 最近では『美坊主図鑑 お寺に行こう、お坊さんを愛でよう』(日本美坊主愛好会/廣済堂出版)が大好評で、フリーマガジンや本物のお坊さんがいる坊主バーまであるというから驚きだ。そんな“坊主”は2次元でも人気のよう。『お慕い申し上げます』(朔 ユキ蔵/集英社)や『5時から9時まで』(相原実貴/小学館)、『さんすくみ』(絹田村子/小学館)など、坊主が登場するマンガがたくさんある。そんな彼らに隠された魅力とは一体何だろうか?

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 まず、なんと言ってもその凛とした佇まいや袈裟姿に惹かれる女性は多い。読経している時のキリッとした表情と袈裟姿のまま原付で家を回っている時のギャップ。それにツルツルの坊主頭も好きな人にはたまらない!

 もちろん坊主の良さは外見だけではない。仏の道を進む彼らは自分の信じるべきものが決まっているので、ぶれないのだ。『さんすくみ』の寺の跡取り息子・孝仁も老舗旅館の娘といい感じになるのだが、お互いが跡取り同士ということもあり泣く泣く諦める。尊敬する住職が決めたことだからとお見合いをした『5時から9時まで』の東大卒坊主・星川は、断られても「これもまた修行のうち」と言うハートの強さや、一夜を共にしたことで「私たちはもう深く結ばれた間柄 結婚は当然の成り行きです」と言ってしまうお堅い面を見せる。しかし、彼らがそんなふうに迷いなく突き進めるのも心に決めた道があるから。芯がしっかりした男性は頼り甲斐もあるので魅力的に映るのは当然なのだ。

 そして、「人を見て心と向き合うのが本職ですから」と何でもないことのように言い切った『5時から9時まで』の星川をみてもわかるように、悩んでいる人に向き合って導いてくれる優しさも持っている。『お慕い申し上げます』の清徹も「人を妬み続けて生きて人生が終わってしまうのが怖いです」と嘆く節子に「あなたは世間から逃げて寺へ来た ここは世間ではありません 気がすむまで妬んだらいい」と優しく助言してくれるのだ。少し説教くさく感じる話し方や、丁寧なのにちょっぴり上から目線で、心を見抜いてくれるところも、悩める女子には高ポイントなのかもしれない。

 また、欲望に打ち克とうとしている健気さや人間くささも魅力のひとつだろう。仏の教えに従い結婚はしないと決めた『お慕い申し上げます』の清玄も、欲情する心と体を抑えきれずに女性と寝てしまう。でも、その後に反省して読経しているところはちょっぴりかわいらしい。『5時から9時まで』の星川も結婚は嫌だと言う潤子とラブホテルに泊まってしまうし、2度目なんて袈裟姿のまま朝帰りしてしまうのだ。性欲と必死に戦う彼らも素敵だが、そんな彼らが自分にだけ見せる欲望に負けた姿はなんとも言えない至福感を抱かせてくれる。

 そんな風にお堅いけど情熱的で、ストイックな坊主たち。これを機に、みなさんも2次元と3次元、両方で“坊主”に恋してみてはいかが?