安倍晋三にあの人が喝!? 究極のカツカレーとは

食・料理

公開日:2012/10/6

 接戦の末、自民党の新総裁に選ばれた安倍晋三。しかし、新総裁就任のニュースよりも、話題は決戦日にランチで食したという“3500円のカツカレー”問題へ完全にシフト。当初はマスコミが「庶民感覚に欠けている」と批判したが、ネット上ではこれがマスコミ批判へ逆転。「朝日新聞の自社内にあるレストランのカレーも高いじゃないか」と、“カレーをめぐる論争”に火がついた。いまでは「一度でいいから食べてみたい!」と、安倍が食した高級カツカレーを食べるためにホテルニューオータニへ“巡礼”する人が急増し、カツカレーの名店をまとめたページが続々とつくられるなど、空前の「カツカレーブーム」が巻き起こっているのだ。今回はそんなブームを記念して(!?)カツカレーマンガを紹介したい。

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 まず、忘れてはいけないのが『美味しんぼ』(雁屋 哲:著、花咲アキラ:イラスト/小学館) だろう。究極の味を探究しつづける主人公・山岡士郎は、寝言でさえも「ふわーい! カツカレーの大盛りねえー!」と注文してしまうほど大のカツカレー好き。寝言を聞いた周囲の人びとから「カツカレーてえのが、恥ずかしかったな。」「ビフテキかなんかだったらまだしもねえ……」と非難されると、「ああ! カツカレーをけなしたなあ!」「あの旨さがわかんないなんて!」と猛攻撃。さらに勤務する新聞社の社主から朝食会のメニューを考えるよう指示されて、まさかの朝カツカレーを差し出したほど。

 残念ながら“究極VS至高”の対決でカツカレーはいまだ取り上げられていないのだが、カレー対決では山岡以上にうるさい父・海原雄山がカレー屋の店主に難癖をつけるシーンが。「これは本物のカレーか?」「本物のカレーとはなんなのだ?」「そもそもカレー粉とはなんなのだ?」「まず第一にカレーとはなにか?」と矢継ぎ早に店主を詰問するという、お得意の理不尽さを存分に発揮している。「縁起を担いでカツカレーを選んでみた」という安倍の安直な発想を知ったら、親子ともども烈火のごとく怒りだしそうな勢いだ。

 一方、『美味しんぼ』とは真逆に庶民の味方であり、再現レシピもつくりやすい『クッキングパパ』(うえやまとち/講談社) には、しゃくれアゴの荒岩師匠直伝のカツカレー丼が登場。こちらはじつにシンプルで、丼にごはんを盛り、その上に揚げたとんかつを乗せて、煮込んだカレールーをぶっかけるというボリューミーな“THE男子ごはん”。まさしく日本のカレールーの優秀さが骨身に染みる、うんちく無用のがっつりレシピだ。

 また、カレーをテーマにしたマンガ作品『華麗なる食卓』(ふなつ 一輝:著、森枝卓士:監修/集英社)には、とんかつならぬビフカツをオンしたビフカツカレーが登場。ちなみにバッシングを受けた朝日新聞大阪本社のレストランのビーフカツカレーは、コースで6300円! 3500円カツカレーよりもその味が気になるところだ……。

 ここまでカツカレーが話題となったのは、ひとえにその爆撃力の大きさゆえ。みんなが大好きなカレーの上にとんかつまでついてくるという、麻薬のように魅惑の一品……。“カツカレーテロ”とも評されたこの騒動だが、ダイエッターの方々は、ぜひマンガでその味を楽しんでみて!